- 親密さや孤独を感じるときの脳活動について調査が行われた
- 人は親密な関係の人を見たとき、自分のことを考えるときと同じ領域が活発になった
- 社会性が低く、孤独を感じている人ほど、自分と他人で脳活動の差が顕著に現れる
コロナの影響で、あまり外出できず人と会う機会が減って孤独を感じるようになったという人は多いのではないでしょうか。
私たちは他人に対して、親密さを感じることもあれば、大勢の人の中にいても孤独感を覚えることもあります。
こうした親密さ、孤独といった感情が脳のどういった働きから生じているかは、実はまだよくわかっていません。
新たな研究は、そんな孤独感の正体に迫る調査報告を行っています。
この研究は小規模な内容ながら、コロナの影響で世界中の人が社会的距離を置いている現在、タイムリーな洞察を含んでいるとして注目を集めています。
親密さと孤独感

新しい研究によると、親密さと孤独感の感情を分ける要因は、私たちの脳の根本的な配線の違いが関連していることを明らかにしています。
実験の参加者は、18歳から47歳までの計50人の大学生及びそのコミュニティメンバーです。
実験では、参加者が16のターゲット(自分、5人の親しい人、5人の知人、および5人の有名人)について考えるときの脳活動を、fMRI(機能的核磁気共鳴画像法)によってスキャンしました。
その結果、親しい人のことを考えるとき、参加者の脳は自分自身について考えるときと似た状態になりました。
しかし、あまり親しいと感じていない相手や、直接接触を持ったことのない有名人などを考える場合は、まったく異なる領域が活発になりました。

今回の研究で注目されたのは、脳の内側前頭前皮質 (MPFC) です。ここは、私たちが抱く親密さに基づいて、社会的な繋がりのマップを作ります。
孤独を感じる人は、自分と他人に距離を感じる傾向があり、それはMPFCの活動に反映されます。
実験の結果は、社会的な親密さが、自己と他者を考える際に似たような脳活動を行うことを示唆しています。
そして、この傾向は、社会性のある被験者ほど顕著に現れ、社会性の低い孤独な被験者ほど、この傾向は消え、自己と他者の脳活動パターンの差が大きくなっていきました。
それだけではなく、親しい人に対するパターンさえ、知人や有名人など、あまり親しい関係でない人たちのパターンに近づいていき、自分以外に関する脳活動は、全て1つにぼやけてしまったのです。



























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