耳周辺の筋肉の動きを感知する指向性スマート補聴器の原理
今回の研究成果は学術的な分野に留まりません。
シュトラウス氏は、耳周辺の筋肉の動きを感知することで、ユーザーが注意を向けた方向の音をより集中的に採取・増幅する、スマート補聴器を製造可能だと考えています。
この補聴器の素晴らしい点は、健常者にとってもノイズキャンセラーとして機能する点にあります。
音楽を聴くヘッドフォンなどに搭載された場合は、より強く聞きたい楽器の方向に意識を傾けることで、特定の演奏者の楽器の音を増幅させるなど、娯楽の目的にも使用できます。
耳ピクピクという何気ない現象でさえも、研究者の情熱次第で素晴らしい発明に繋がるというのは、いろいろと考えさせられる事実ですね。
研究内容はドイツ、ザールラント大学のダニエル・J・シュトラウス氏らによってまとめられ、7月3日に学術雑誌「eLife」に掲載されました。
https://elifesciences.org/articles/54536