研究の第一歩は身近な気付き
人間を含む高等霊長類の耳は、外見上目立って動きません。
これは2500万年前、人類は高騰霊長類に進化する過程で、耳を動かす能力をほとんど失ってしまったからです。
しかしザールラント大学医学部のシュトラウス氏は、一部の人間が、自分の意思だけで耳をピクピクと動かすことができる点と、耳の周辺にある耳介筋(じかいきん)の存在に目をつけました。
そして、他の多くの「耳動かせない派」の人類も、もしかしたら耳を動かす能力を本質的に残しているのではないか、と考えたのです。
ただ、証明を肉眼だけで行うのは不可能でした。
そこでシュトラウス氏は、証明に筋肉の微弱な活動を測定できる表面筋電図(EMG)を使用する方法を思いついたとのこと。
仮説が正しければ「耳動かせない派」の耳の周りの僅かな筋肉が、周りの音に反応して表面筋電図(EMG)に活動が観測されるはずです。