もしも、数学の問題を一問解いて、お金がもらえるとしたら、あなたはどう感じますか?「数学は嫌いだけれど、お金がもらえるなら頑張れるかも」なんて思うかもしれません。
実は、「一問解けば、お金がもらえる数学の問題」があるんです。しかも、その額は 100 万ドルで、日本円に換算すると 1億円以上。
そんな夢のような問題は「ミレニアム懸賞問題」という名前で知られており、2020年現在、計6問の未解決問題が存在しています(元々は7問ありましたが、そのうち一問は既に解かれてしまいました)。
数学の問題をたった一問解くだけで1億円。今回は、そんな夢のような問題の一つである「リーマン予想」の背景を探っていこうと思います。
リーマン予想とは何なのか?
まずは、この「1 億円問題」であるリーマン予想の姿を見てみましょう。
リーマンゼータ関数の非自明な零点の実部は$\frac{ 1 }{ 2 }$である。
一つ一つの言葉は確かに難しそうですが、一行にも満たないシンプルな文章に驚かされます。ドラマの「ガリレオ」に出てくるような、難しい数式がズラズラと 並んでいるわけでもなく、出てくる数字も「$\frac{ 1 }{ 2 }$」のみ。このとてもシンプルな文章が、超難問なのです。
リーマン予想は、その名の通り、ベルンハルト・リーマン(1826年-1866 年)という数学者が打ち出した予想です。
非常に業績の多い数学者で、リーマン積分、リーマン幾何学、 リーマン多様体など、彼の名を冠する数学用語が多いことから、そのスゴさを知ることができます。
リーマン予想が提出されたのは1859年。今から約160年前で、日本はまだ江戸時代でした。1859 年と2020年現在を比較すると、科学は格段に進歩していて、スーパーコンピュータのような、凄まじい計算能力を持ったマシンも出現しています。しかし、リー マン予想は未解決のままなのです。