- らせん状や同心円のハチの巣の生成過程が判明
- ハチは、巣の完成予想図にではなく、個々のある行動ルールに従っていた
- 巣を作るルールは、「結晶の生成構造」に似ていた
芸術的な建築技術を持つのは人間だけではありません。
東南アジアやオーストラリアに生息する「テトラゴヌラ属(Tetragonula)」のハチは、らせん状や同心円の美しいハチの巣を作ります。
ハチが賢いことは周知の事実ですが、どのようにして風変わりな巣を作っているのかは大きな謎でした。
働きバチの中に凄腕の設計士がいて、そのブループリントに子分たちが従っているという可能性もありえます。
ところが、スペイン・グラナダ大学の最新研究によれば、巣の建設に全体の設計図はなく、1匹1匹がある行動ルールに従って動いていることが明らかになりました。
その作業プロセスは、「結晶の生成構造」に似ていたようです。
現代美術館に匹敵する芸術性
らせん状や同心円のハチの巣は、コロニーに属する働きバチによって建てられます。
各層は六角形の小部屋から成り、各部屋に女王蜂が卵を産んで、生まれた赤ちゃんは世話係のハチが食事を与えます。各層の間には、ハチが入れるような隙間も空けられています。
同心円の巣は、各層が水平で、ピラミッドのように上に高くなる一方で、らせん状の巣は、層が水平ではありません。各層はひと連なりで徐々に高さを増し、ときには20層建てになることもあるようです。
その芸術性は、ニューヨークにある「グッゲンハイム美術館」のらせん構造の美しさに匹敵します。