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会社で何にでも口出しする「アドバイス・モンスター」は、誰の心にも潜んでいる。

2020.07.29 Wednesday

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credit: depotitphotos

学校や職場などで、何かと首を突っ込み、アドバイスしてくる人に出くわすことがあるでしょう。

彼らは、話し合いや相談ごとに急に割り込んで、アドバイスを与えることに躍起になります。

そういう人を、心理コーチングの専門家であるマイケル・バンゲイ・スタニエ氏(53)は「アドバイス・モンスター」と形容します。

特に、職場のリーダー的立場にある人は、「積極的にアドバイスすることで自分の価値を示さなければ」と感じるものです。

その一方で、「アドバイスモンスターは、多かれ少なかれ、私たち全員の内に潜んでいる」とスタニエ氏は指摘します。

アドバイスをした経験は多くの人にあると思いますが、常に良い結果を生むとは限りません。不明瞭なアドバイスは相手を混乱させるだけですし、的確なアドバイスも(後述しますが)別のネガティブな問題を引き起こします。

では、アドバイスモンスターに乗っ取られるのを防ぎ、うまく飼いならすにはどうすれば良いのでしょうか。

なぜアドバイスしたくなる?原因は「認知バイアス」にあり

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スタニエ氏によると、アドバイス・モンスターに乗っ取られやすい人は「認知バイアス」にかかっていることが多いそうです。

認知バイアスとは、思い込みや記憶の誤りなど、観察面で人が犯しやすい心理作用のことですが、ここでは、自身のアドバイスが実際より良いもの(あるいは、自分自身も実際より理知的で賢い)と思い込んでしまうことが挙げられます。

認知バイアスは、特別なものではなく、誰もが自分のスキルや能力を多少なりとも過大評価しています。

例えば、認知バイアスのひとつである「ダニング=クルーガー効果」は、自分の無知さに無知である状態を示します。そうすると、中途半端な知識に自信を持ったり、間違ったアドバイスを躊躇なく押し付けてしまうのです。

スタニエ氏は「アドバイスが正しいと自信があるほど、間違っている場合が多い」と指摘します。

その上で、自分の無知に気づいている人なら、アドバイスを求められた場合、「その問題について知識はあるが、とても複雑なので、一言では説明できない」という反応になるそうです。

次ページアドバイスは与える側に利益がある

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