アドバイスでなく「コーチング」を
これとは別に、スタニエ氏は、主に職場のリーダーに向けて、「アドバイスよりもコーチングを心がけるよう」述べています。
アドバイスは明確な答えを与えるものなので、会議や話し合いの時間短縮になりますが、長い目で見れば、良い人材を失うことに繋がります。先ほど言ったように、受け手の思考力や自発性を削いでしまうからです。
これに対し、コーチングは、答えを与えるのではなく、質問を投げかけます。「こうしろ、ああしろ」ではなく、「どうしたいのか、何をすれば解決するか」と問いかけるのです。
先行研究では、コーチングの実践により、チーム内のモチベーションや生産性の向上に繋がっていました。
一方で、スタニエ氏は「すべての行程をコーチングにする必要はない」と言います。時と場合によっては、アドバイスの方がずっとポジティブな効果を招くこともあるでしょう。
大切なのは「アドバイスを一方的に押し付けるのではなく、『私には効果的でしたが、あなたにもそうであるとは限らない。使えそうなら、使ってみてください』と受け手に判断を委ねること」だと言います。
アドバイスとコーチングをうまく使い分けることで、職場の空気をリフレッシュできるかもしれません。