- 世界中で宇宙開発が進んでいるが、生物が宇宙へでた場合の影響はまだよくわかっていない
- 新たな研究は細菌が無重力空間へ行くことで、抗生物質耐性を示すことを報告
- 人類にとってより致命的な存在へ進化する恐れがある
今月は中国に続きアラブもロケットを打ち上げるなど、世界各国が続々と宇宙開発競争へ名乗りをあげています。
現在目標にされているのは月と火星の調査です。
こうした人類の新たなフロンティアとして宇宙開発が進んでいく様は、聞いていてワクワクさせられる話題ですが、宇宙空間が生物に与える影響については、まだ正確にわかっていません。
夢見たSF世界が現実になりつつある今、悪夢のようなSFホラーも現実になってしまうかもしれないのです。
宇宙で変異することが特に危ぶまれているのが、地上でもっとも小さい生命体「細菌」です。
この微視的な生物はどこへ行ってもつきまとってくるので、人間が宇宙へ進出する以上、彼ら細菌も一緒に宇宙へ進出します。
そして細菌は、人間と同様に、宇宙の環境から大きな影響を受けることになるのです。
無重力という環境
地球上のすべての生物は常に重力とともに進化してきました。
重力はさまざまな物理的プロセスに影響を与えています。宇宙のように重力が極端に微弱な環境では、あらゆる物理的動作が変わってしまうのです。
例えば、液体中の粒子が底に沈殿する沈降現象、温度差に応じて熱エネルギーが移動する対流、浮力、こうした動作は無重力の宇宙では最小限に抑えられてしまいます。
逆に表面張力や毛細管力など液体に働く力はより強く現れるようになるとのこと。
こうした物理現象はすべて生命体の内部でも働いている力であり、その影響がどの様に生命に現れるかは完全に理解されていません。