共感力や集中能力の改善も
この実験に参加したのは、てんかんの発作を追跡するため、すでに脳に電極を埋め込んである6人です。この電極を通して、研究者たちは一日中患者たちの脳で何が起こっているのかを追跡することができました。
古いインプラントでは刺激を与えるタイミングは選択できませんでしたが、新しいアプローチによって、必要な時に刺激を与えることができるようになったのです。
研究チームは、患者の脳の活動を1から3週間の間追跡することで、患者の気分を「復号」するアルゴリズムを作ることができました。そして意思決定や感情を司る脳の領域に刺激を与えることで、参加者の一連のタスク処理能力が有意に改善することを発見したのです。感情障害は集中力や共感能力に対して問題がある場合が多いですが、そのタスクには、数字画像のマッチングや表情からの感情の読み取りも含まれていました。
研究者が人々の心を読めるようにはならないにしても、このチップが多くの倫理的関心を呼び起こすことは避けられません。研究チームのエンジニアリングディレクターであるアリク・ウィッジ氏は、「私たちは、感情を示す活動をも利用することになるだろう」と話しています。
最近は人工知能も「家族が欲しい」と語る時代。一見画期的な研究に思えますが、自分の脳にAIを埋め込んだとき、それは果たして以前までの「自分」だと言い切れるのでしょうか。
via: dailymail / translated and text by nazology staff