大型と小型は別種だった!ニューネームも決定
加えて、小型標本が大型と同種か別種かを特定するため、骨に成長や老化の痕跡がないかを調べています。
骨の断面分析の結果、小型の骨に多くの成長痕が見つかりました。これは、小型生物が十分に成熟しており、大型の幼体ではなく、まったくの別種であることを示します。
さらに、大型の歯は円錐形、小型は王冠型をしていることから、それぞれ食料となる獲物が違っていたと見られます。(大型は魚やイカを好物とし、小型はもっと小さなエビなどを食べていたと思われる)
それゆえに、同じ生息域にいながら、競合することなく共存できたのでしょう。
また、今回初めて2種のタニストロフェウスを特定できたことで、それぞれに新しい学名も付けられています。
大型は、ギリシャ神話のヒドラにちなんで「タニストロフェウス・ヒドロイデス(Tanystropheus hydroides)」、小型は、オリジナルの「タニストロフェウス・ロンゴバルディカス( Tanystropheus longobardicus)」と名付けられました。
リエッペル氏は「30年間、タニストロフェウスを研究し続けて、2つの大きな謎を解明できたことにとても満足している」と話しています。
研究の詳細は、8月6日付けで「Current Biology」に掲載されました。
https://www.cell.com/current-biology/fulltext/S0960-9822(20)31017-4?_returnURL=https%3A%2F%2Flinkinghub.elsevier.com%2Fretrieve%2Fpii%2FS0960982220310174%3Fshowall%3Dtrue