1万8000年前の時点では「ケブカサイ」絶滅の兆候なし
研究チームは、ケブカサイが絶滅する以前の個体群の大きさを特定するため、これまでに見つかっている14体の遺体からDNAを採取しました。
研究主任のラブ・ダレン氏(スウェーデン古生物遺伝学センター)は「個体のDNAは、祖先から受け継いだ遺伝子のモザイクでできており、それを分析することで過去の繁栄度合いも分かる」と指摘。
その上で「種の個体群は、近親交配の頻度が少なく、遺伝的な多様性が高いほど大きくなる」と続けています。
DNA採取の結果、約1万8500年前のケブカサイの個体から完全なゲノム解析に成功しました。
母親と父親それぞれから受け継いだ染色体を比較してみると、近親交配の痕跡はあまり見られず、反対に遺伝的な多様性は高いことが分かっています。
さらに、この個体のDNAから、1万8500年の時点では個体数は安定していて、かなり大きな群れを構成していたとのことです。
そこから、さらに数万年前まで遡っても個体群は大きく、絶滅の兆候はまったくありませんでした。
個体群の激減は1万4000年前から始まるのですが、一体何があったのでしょうか。