ネナシカズラは寄生する
ネナシカズラは100~170種ほどのつる性寄生植物であり、温帯から熱帯にかけて世界中に広く分布しています。
この植物は他の植物と多くの点で異なっています。通常の植物は葉と地中に張り巡らした根から栄養や水分を得ますが、ネナシカズラはそれらの代わりに吸器(寄生根)を使って宿主から栄養と水分を奪うのです。
そのためネナシカズラは、その名の通り根を張る必要がありません。
地表に落ちたネナシカズラの種子は最初にその場で発芽し固定根を地中に伸ばします。ところが成長して他の植物に巻き付いて寄生できると、その固定根を枯らして無くしてしまうのです。
また葉はあるものの非常に小さく、葉緑素を持たず光合成しないものがほとんどです。そのため黄色や赤色の紐やツタのような外見をしています。
このように、ネナシカズラは生きていくためのほとんどのエネルギーを宿主から得ているわけですが、それは開花と種子生産プロセスも例外ではありません。