食い止める方法はあるのか?
この問題を食い止め、持続可能な世界を目指す研究は世界中で進められています。
9月10日に科学雑誌『nature』に発表された研究では食料供給システムの改革が効果的であると報告されています。
食品廃棄物を減らし、環境に優しい食生活を選ぶことで、驚異的な生物の減少傾向は緩和できるというのです。
これは根本的な自然保全の努力と共に実行されることが前提ですが、将来的に生物多様性の損失を3分の2以上回避することが可能だと示唆されています。
一般的に生物多様性の回復率は、損失よりもはるかに遅いことが知られています。「早く行動を起こさなければ間に合わなくなる」と、研究の筆頭著者である国際応用システム分析研究所(IIASA)の研究員David Leclere氏は警鐘を鳴らしています。
地球に起きている大きな変化は、人類にとって他人事ではありません。それは私たちの健康で幸福な生活と、密接に関連するものなのです。
ほんの10年くらい前までは、地球温暖化について地球の平均気温が1~2度上昇したからなんなのさ、と思っている人がほとんどでした。
しかし昨今の夏期間の暮らしづらさを考えると、野生生物の驚異的な減少も対岸の火事と見過ごしてはいられない問題だと理解できます。
宿主を殺してしまうようなウィルスに対して、私たちはよく宿主が死ねば自分も死ぬのにウィルスは加減できないの? という疑問を口にしています。
しかし、人間は自分たちの宿主たる地球の健康を維持するために、程よいレベルまで活動を抑制できるのでしょうか?
地球上の生命と共存していくという問題は、道徳的な意味もありますが、なにより私たちが快適で健康な暮らしを維持するために必要な要素なのです。