初期太陽系で起きた木星軌道の移動
初期の太陽系で、「木星」は今よりもっと遠い場所に形成されたと考えられています。
これは小惑星帯の軌道形成や、海王星軌道に残る氷の残骸の分布などから推定されているもので、太陽系形成時の重力の影響などを計算していくと、木星は形成後に太陽へ近づくように内側の軌道へ移動したことは明らかなようです。
ただその移動がどのように起きたのかを正確に把握することは困難です。一部のモデルでは木星は数億年かけてゆっくりと太陽系の内側に移動してきたと考えられていますが、別のモデルでは火星軌道まで一気に近づいた後、現在の位置まで戻っていったとも考えられています。
それが実際どのようなものであったにせよ、木星の移動は太陽系内の惑星の軌道に大きな影響を与えたことは確かです。
なにせ木星は太陽系の他の惑星の質量を足し合わせた数値の2.5倍もの質量を持っているのです。