非常に珍しい奇妙な分子「シクロプロペニリデン」
今回発見された分子は、化学を勉強した人でもあまり聞いたことがないと言われるほど、珍しい存在です。
「シクロプロペニリデン(IUPAC名: cyclopropenylidene)」はC3H2と表される単純な炭素と水素の化合物。これは簡単に他の物質と反応して新しい化合物を作り出してしまうため、通常の大気中などにはほぼ存在していません。
NASAのホームページ上でも、この分子は高校の化学の教科書はおろか、大学の学部生でも学ぶことは稀であり、化学者であっても聞いたことがない人がほとんどで、なんと発音するかも知らないでしょう、と説明されています。
今回の研究チームの1人、NASAゴダード宇宙飛行センターの科学者コナー・ニクソン氏はALMA望遠鏡の観測で、タイタン大気上層のスペクトル分析を行っている中、この非常に稀な分子の存在に気づきました。
この発見に彼は思わず「これは予想外な…」とつぶやいてしまったようです。