現代のウマやサイは「インド」から世界に広がった
化石上の記録によると、ウマ目は約5000万年前に北半球全域に広がっていますが、その起源がどこにあるか不明でした。
しかし、今回の結果から、インドに出現したカンベイテリウムこそ、あらゆるウマ目の直接的な祖先と推測されています。
6〜7000万年前のインドは、まだユーラシア大陸に繋がっておらず、孤立した大きな島となっていました。
それがおよそ5000万年前に南アジアに衝突して、地続きとなります。
ローズ氏は「インド亜大陸がユーラシアと繋がったことで、カンベイテリウムは進化を続けながら、今日のヨーロッパやアメリカへと拡散していったのでしょう」と説明します。
また一方で、孤立状態にあったインド亜大陸には、カンベイテリウムと同時期のヨーロッパに存在した霊長類やげっ歯類の化石も見つかっています。
彼らが、ユーラシア大陸から海を横断してインドへたどり着くのはどう考えても不可能です。
これについて、ローズ氏は「おそらく、北上中のインド亜大陸が、アラビア半島やアフリカの角とニアミスした際に陸続きになった一部のルートを通ったのでしょう」と推測しています。