エウロパ表面の謎
木星には約80もの既知の衛星が存在していて、エウロパはそのうちの1つです。
このエウロパの興味深い点は、その内部にあります。エウロパの表面は氷で覆われていて、その氷の地殻の下には巨大な液体の海が隠されていると科学者たちは予想しているのです。
広大な海の存在は、地球以外で太陽系から生命を発見できる大きな可能性を示すものです。
この可能性を調査するために重要になるのが、エウロパの表面はどういう組成をしているのか? ということです。
エウロパの表面は氷で覆われていますが、その化学的な性質などについてはまだよくわかっていません。塩分を含んだ塩水の氷であるという予想はされていますが、それを明らかにする証拠はまだ見つかっていないのです。
強い放射線(高エネルギーの荷電粒子)が塩分の豊富な氷の表面に衝突した場合、相互作用によってそこでなんらかの物理的、化学的プロセスが発生するだろうという予測はあります。
そのため、ここから表面の組成を明らかにできるかもしれないと考えられていますが、そのプロセスがどういうものなのかはまだ明確ではありません。
また、ハッブル宇宙望遠鏡などの世界の優秀な望遠鏡たちも、まだその手がかりとなるようなデータは記録できていないのです。