想像よりずっと速い 太陽系の形成
はるか昔、およそ45億年前に太陽系は誕生しました。
そのころの太陽系は、太陽が主系列星というきちんとした恒星に成長する前の「原始星(前主系列星・Tタウリ型星)」を中心にして、多くの塵やガスが渦巻いている状態でした。
ここから星は進化して太陽となり、その周りのガスが少なくなって惑星が回る太陽系へと成長していったのです。
星系が形成される期間については、遠くの生まれたての星系などを観測することで、天文学者はおよそ100万年と推定していますが、太陽系がどの程度の時間で形成されたかについては、これまで明らかになっていはいませんでした。
しかし、この疑問について、今回の研究を発表したアメリカのローレンス・リバモア国立研究所(以下、LLNL)の科学者グループは、太陽系は約20万年で形成されたという結論を述べています。
20万年という時間を言われてもすぐにはピンと来ません。例えば地球上にホモ・サピエンスが登場してから現代までの期間が、およそ30万年と推定されています。
巨大な太陽系が、人類の祖先からの進化より短い期間で形成されていたと考えると、それは驚くべき速度だったと言えるでしょう。