地球にもっとも近づいたけど落ちなかった小惑星
今回地球に近づいた小惑星は、11月14日(土)の早朝に、ハワイのマウナロア天文台の小惑星地球衝突最終警戒システム(ATLAS)の調査から発見されました。
発見のタイミングは最接近から15時間後のことです。
地球に近づいていた非常に小さな小惑星に気づけないということは珍しいことではありません。
小惑星に太陽方向の観測上の死角から近づかれた場合よく起こることで、「2020 VT4」も太陽の方角からやってきました。
地球上では、南太平洋のピトケアン諸島付近で目撃することが可能で、3等級ほどの明るさで見ることができた可能性があります。
しかし、17:20(世界時)という昼間の出来事だったため、地上でもこの小惑星の目撃報告は出ていません。
また、小惑星のサイズは5~10m程度だったと推定されています。
小惑星の接近では2013年ロシアのチェリャビンスクの事件が記憶に新しいものですが、このときの小惑星はサイズが20mあったと考えられていて、今回の10倍近い衝撃が発生していました(地球に接近した小惑星の記録については、こちらの記事を参照)。
そして今回の小惑星は例え地球に落下していたとしても、特に被害は起きなかっただろうと予想されています。
むしろ、落下していたらちょうどいい天体ショーになっていたかもしれない、と天文学者は語っています。