色の名称にあらわれる奇妙な偏り

色を研究する研究者たちは長い間、1つの疑問を持ち続けていました。
地球上に住む人間たちは地域によって多少の変動があるものの、どういうわけか冷たい色(青など)よりも、温かい色(赤やオレンジ)に対して、より細かな名称による区別を行っていることが知られていました。
この名称に対する奇妙なバリエーションの偏りが、文化によるものなのか、それとも神経回路に起因するものなのか、論争は決着がつかないままだったのです。
しかし今回、研究者がデータを詳しく分析した結果、人間の脳は冷たい色(青など)よりも温かい色(赤やオレンジなど火にかかわる色)に対して、より強い反応をみせていたことが判明します。
この事実は、色の名前の数の偏りが、言語や文化ではなく、人間の脳の神経回路の処理方法に起因することを示唆します。