地球に見られる薄明光線と同じ現象?
この発見を、研究チームは地球に見られるある気象現象と同一のものではないかと考えています。
それが薄明光線です。これはロマンチックな呼び方では「天使のはしご」とも表現される日の出や夕暮れの空に見られる美しい影の光の光線パターンです。
活動銀河の中心には超巨大質量ブラックホールが存在しています。ブラックホール自身が光ることはありませんが、その周囲に集められ落下する加熱したガスは、明るい光を放っています。
この光がブラックホールを取り巻く塵の円盤を透過したとき、塵の密集した場所にあたった光が影となって、地球の空に見られる薄明光線と同じような状態を作っているのではないかというのです。
ただ、そのサイズは地球のものとは桁違いです。「IC 5063」から差す闇の光線は非常に大規模なもので、少なくとも3万6千光年に渡って伸びています。