地元では「懐中電灯」として使われていた
本種は科学界にとっては新しいですが、地元民は昔からこのキノコの存在を知っていました。
地元では「電気キノコ(electric mushrooms)」という名前で親しまれ、夜になると電気キノコの生えた竹串を明かりとして使うそうです。
まさに自然の懐中電灯ですね。
では、キノコ自身は何のために光っているのでしょう。
一般に、発光性を持つ生物は陸上よりも海洋の方が多いです。陸ではホタルが代表的ですが、こうした生物は獲物の誘引や、メスへのアピールとして光を使います。
狩りも交尾もしないキノコは、このような使い方をしません。
カルナラトナ氏は「こうしたキノコは光を使って昆虫を誘い込むことで、自らの胞子を拡散してもらいます。そのため、発光性を持つ菌類は特定の昆虫たちと共進化したでしょう」と説明します。
現在、記録されている12万種の菌類のうち約100種が生物発光性ですが、インド原産はほぼありません。
研究チームは今回の発見から、インドにも発光性のキノコが複数存在すると見て、調査を続ける予定です。