東京都の数倍! 深夜の砂漠のカプセル回収
オーストラリアのウーメラには、すでに回収班が待機していて、現地の様子をネット上で伝えています。
ウーメラは砂漠の荒野で、日本との時差は少ないものの季節が逆転しているため、現地の昼は気温45度を超える真夏で湿度も5%程度しかありません。
ちょうどコロナウィルスの流行時期と重なってしまったため、渡航制限により回収班もかなり苦労して現地へ渡ったそうです。
カプセルの着地予想エリアはだいたい100km四方の範囲になるようです。
カプセル分離は地球から約22万km離れた場所で行われます。
月までは約38万kmなので、だいたいその半分くらいの距離。この距離からボールを投げてオーストラリアの100km四方にヒットさせるというのは、ある意味すごいコントロールです。
しかし、地上でカプセルを探すとなるとその範囲は広大。東京都の面積がおよそ2200km²なので、100×100の範囲はその数倍にもなります。
カプセルは最初音速を超えて大気圏へ突入し、高度40kmで火の玉となり、高度10kmまで降下したところでパラシュートを開きます。
回収班は、最初この火の玉を光学観測して落下エリアを割り出すそうです。
天候により見えない場合も想定して、NASAの航空機も雲上で観測を行っています。
パラシュートを開いたカプセルはビーコンを発信して、これを地上5箇所で受信して正確な位置を割り出していきます。
そして、最終的にはビーコン受信機を積んだヘリコプターにより回収が行われます。
しかし、何が起こるかわかりません。せっかく長い宇宙の旅をして「はやぶさ2」が届けたカプセルをオーストラリアの砂漠で見失ってしまっては元も子もありません。
ビーコンが出なかったりパラシュートさえ開かなかった場合、最悪光学観測(目視)で探すことになります。
それに備え、マリンレーダーの設置やドローンの探索も導入されているようです。
カプセル回収は深夜の砂漠で行うため、さまざまな備えをした上で、万全の体制がとられているのです。