「はやぶさ」と「はやぶさ2」のミッションは何が違うのか?
多くの人は初代「はやぶさ」と「はやぶさ2」のミッションの違いは何なのだろうと考えているかもしれません。
これにはそれぞれの探査機が向かった小惑星の分類について理解する必要があります。
初代はやぶさが調査した「イトカワ」は主に岩石質でできた「S型小惑星」に分類されています。
「S」とはStony(石質)やSilicaceous(ケイ素質)を意味します。
この調査で初代はやぶさは地球でもっとも多く見つかる隕石「普通コンドライト」と呼ばれるものの故郷が、「S型小惑星」であることを証明しました。
一方、はやぶさ2が調査した「リュウグウ」は表面の岩石中に有機物を多く含むと考えられる「C型小惑星」です。
「C」はCarbonaceous(炭素質)の意味です。
これは「炭素質コンドライト」と呼ばれる隕石の故郷だと予想されています。「炭素質コンドライト」は有機物のほかに水を多く含むもので、地球へ海や生命をもたらした原料だったと考えられているのです。
またC型小惑星は、S型小惑星より太陽系初期の情報を多く保っていると考えられています。
つまりはやぶさ2のミッションは、太陽系の進化、そして地球の海や生命の原料を探す重要なものなのです。
そしてまもなく、はやぶさ2は、そんなC型小惑星リュウグウの表面サンプルを持って地球へ帰還します。
多くの研究者たちが、そのときを心待ちにしているのです。