地球から336光年離れた連星系に属する惑星「HD 106906 b」のイメージイラスト。
地球から336光年離れた連星系に属する惑星「HD 106906 b」のイメージイラスト。 / Credits: NASA, ESA, and M. Kornmesser (ESA/Hubble)
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未知の惑星「プラネット・ナイン」にそっくりな系外惑星を発見! 太陽系内での発見の手がかりになる可能性

2020.12.15 Tuesday

太陽系には、冥王星のはるか外側を回る未知の惑星「プラネット・ナイン」が存在しているという説があります。

未だにその正体は不明ですが、このプラネット・ナインと性質がそっくりな惑星が他星系で発見されました

カリフォルニア大学バークレー校の研究チームが、12月10日に天文学の科学雑誌『Astronomical Journal』で発表した新しい研究では、地球から336光年離れた二重連星系の惑星「HD 106906 b」は予想されるプラネット・ナインそっくりの軌道を回っていると報告しています。

これは未だ発見できないプラネット・ナインの形成を理解する手がかりになるかもしれません。

>参照元はこちら(英文)

NASA https://www.nasa.gov/feature/goddard/2020/hubble-pins-down-weird-exoplanet-with-far-flung-orbit

遠い星系の「プラネット・ナイン」

プラネット・ナインのイメージイラスト。
プラネット・ナインのイメージイラスト。 / Credit:Wikipedia

プラネット・ナイン」とは、準惑星冥王星のはるか外側にあると考えられている太陽系の9番目の惑星のことです。

まだその姿は見つかっていませんが、太陽系外縁を回る小惑星が受けている重力的な影響を考えた場合、地球の10倍近い質量を持った巨大な惑星が、太陽から平均約700AU(天文単位)の距離を回っていると考えられているのです。

プラネット・ナインの軌道(赤の破線)を示すGIF画像。太陽から非常に遠い惑星であることが分かる。
プラネット・ナインの軌道(赤の破線)を示すGIF画像。太陽から非常に遠い惑星であることが分かる。 / Credit:Wikipedia

本当にそんな惑星が存在するのか? あるとしたらどうやって形成されたのか? そうした疑問は長く議論されています。

そんな中、別の星系でこのプラネット・ナインによく似た惑星が見つかったのです。

それが太陽から336光年離れた二重連星系に属する太陽系外惑星「HD 106906 b」でした。

この惑星は2013年にチリのアタカマ砂漠にあるラス・カンパナス天文台で発見されました。質量は木星の11倍もあり、その位置は主星の連星から730AU、すなわち地球と太陽の距離の730倍以上も離れていたのです。

発見当時、この惑星がどんな軌道を回っているのかはさっぱり不明でした。

しかし、ハッブル宇宙望遠鏡がこの惑星を辛抱強く観測し、その軌道を特定したのです。

それは太陽系のプラネット・ナインで予想されている軌道とよく似たものでした。

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