地球から336光年離れた連星系に属する惑星「HD 106906 b」のイメージイラスト。
地球から336光年離れた連星系に属する惑星「HD 106906 b」のイメージイラスト。 / Credits: NASA, ESA, and M. Kornmesser (ESA/Hubble)
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未知の惑星「プラネット・ナイン」にそっくりな系外惑星を発見! 太陽系内での発見の手がかりになる可能性 (3/3)

2020.12.15 Tuesday

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「HD 106906 b」はどうやって形成されたのか?

プラネット・ナインは太陽系に存在するのか?
プラネット・ナインは太陽系に存在するのか? / Credit:depositphotos

いずれにしろ、疑問となるのは海王星をはるかに超える遠い軌道に、なぜ巨大な惑星が存在することになったのか? ということです。

今回の「HD 106906 b」については、主星から3AUという、現在より非常に主星に近い距離で惑星が形成されたと考えられています。

しかし、その惑星はガス円盤内で徐々に位置がずれていき、軌道が崩壊しました。そして、連星に向かって内側へ引っ張り込まれ、その勢いのまま、今度は外側へはじき出されてしまったのです。

その後、惑星は星間を移動する通過星の影響で、星系を飛び出さずに遠い外縁部で軌道を安定させたと考えられるのです。

この影響を与えたと考えられる通過星の候補は、ESA(欧州宇宙機関)の調査衛星ガイアによって特定されています。

研究チームの1人、欧州南天天文台の研究者ロバート・デ・ローザ氏は、潰れたデブリ円盤とともにこの惑星軌道の形成理由について研究を続けていますが、「これは潰れた自動車を見て、そこでどんな事故が起こったか再構築しているようなものです」とその難しさを語っています。

しかし、太陽系のプラネット・ナインについても、もともとは太陽系の内側の軌道で形成された惑星が、太陽と木星の重力的な影響で外側へはじき出されたと予想されており、それが通過星の影響で遠い軌道に安定した可能性は高いと考えられます。

今回の発見は、太陽系の未知の惑星プラネット・ナインを理解するための手がかりになるかもしれないのです。

ただプラネット・ナインには、他に候補があり、実際は惑星ではなく、小天体の偏りで作られたクラスタ(集団)ではないかとも言われています。

未だその正体は謎のままです。

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