主星から遠く離れた惑星
この画像はハッブル宇宙望遠鏡による観測画像で、問題のプラネット・ナインに似た系外惑星の軌道は楕円の破線で示されています。
画像の左下に比較のために500AUの距離を示す線と、海王星の軌道を描いた丸が記載されています。
現在太陽系の一番外側を回っている海王星の軌道直径は、平均約30AUとされているので、この「HD 106906 b」という惑星を太陽系に置いて比較した場合、海王星の24倍も太陽から離れているということになります。
あまりに主星から離れているため、この惑星は軌道を一周するのに1万5千年かかるとされていて、ハッブル宇宙望遠鏡の精密な観測でも、その軌道を僅かな時間で特定するのは大変な作業だったようです。
また、興味深いことにこの連星系わずか1500万年歳という若い星系だと分かっています。
これは太陽系の46億歳という年齢と比較して考えた場合、プラネット・ナインのような惑星は、非常に初期の段階で形成される可能性があることを示しています。
太陽系では海王星軌道のさらに外側に、エッジワース・カイパーベルトと呼ばれる小天体の集まったデブリの円盤が存在しています。
今回の連星系にも、似たようなデブリ円盤が確認されていますが、それは片側が潰れた非対称な形になっています。またその潰れた軌道では垂直方向にも小天体がバラけてしまっているそうです。
これは「HD 106906 b」の重力的な影響によるものだと考えられています。