失敗から生まれたヒット商品とは?
失敗から生まれたヒット商品とは? / Credit: canva
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失敗から生まれた3つの発明品!「電子レンジ」は軍事レーダーから誕生した? (2/3)

2020.12.15 Tuesday

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軍事レーダーから生まれた「電子レンジ」

1945年の戦時下、アメリカの軍需品製造会社・レイセオンで、パーシー・スペンサーという技術者が「軍事用レーダー」の研究に励んでいました。

レーダーは当時、「マンハッタン計画(原子爆弾の製造計画)」の次に軍部が重視していたものです。

ある日、実験をしていたスペンサーは、ポケットに偶然入れていたチョコレートバーが、包装紙の中で溶けていることに気づきました。

そこからスペンサーは「レーダーのマイクロ波の前に立っていたから、電磁波でチョコが溶けたのだ」と考えます。

レーダーの中のマイクロ波発生装置には、強力なマグネトロンが入っていて、これが電磁波を出していたのです。

パーシー・スペンサー
パーシー・スペンサー / Credit: lindahall

そこで彼は、このマグネトロンを用いて実験的に加熱装置を作りました。

レーダーのマイクロ波は、水分子を激しく振動させるのに最適な波長を持っていたため、水の加熱にピッタリだったのです。

その2年後、同社はこの装置を「電子レンジ」として販売。

ところが、試作品は高さ2メートル、重さ250キロもあり、値段も効果で商業的に大失敗しました。

高出力のレーダーレンジ
高出力のレーダーレンジ / Credit: lindahall

1番の原因は、軍事用レーダーと同じ高出力のマグネトロンを使っていたことです。

今の電子レンジより5倍以上も強力で、ジャガイモが茹で上がるるまで2分もかかりませんでした。

その後、同社はより安価で小さなマグネトロンに変えて、65年に再販売。

これが家庭的な電子レンジとして普及していきました。

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