有効率はモデルナ94% / ファイザー95% / アストラゼネカ70%
現在、アメリカなどではモデルナとファイザーが作ったワクチンの接種がはじまっています。
FDA(アメリカ食品医薬品局)からの発表によれば、3万人以上が参加した第3相臨床試験においてモデルナのワクチンは94.1%の有効率が確認できたとのこと。
この「有効率」の測定は本物のワクチンとプラセボ(偽薬)が用いられ、接種後一定期間以内に新型コロナウイルスに感染したかどうかが調べられています。
結果、プラセボを接種したグループでは感染者が続発した一方で、本物のモデルナのワクチンを接種したグループではほとんど感染がみられませんでした。
また同様にして行われたファイザーのワクチンの有効率も95%ほどであることがわかりました。
これらの結果は、モデルナとファイザーのワクチンは共に同程度の有効性があることを示します。
両者のワクチンは他の開発中の他のワクチンと比べても非常に似た作りをしており、結果も同じようなものになったと考えられます。
一方、アストラゼネカのワクチンですが、こちらはまだ最終的な試験が終わっていません。
ただ11月23日に発表された臨床試験の結果では70%の有効率が認められ、FDAの定める50%の最低ラインを上回ったとされています。
私たちにとって身近なインフルエンザのワクチンの有効率が日本成人に対して30%~50%であることを考えると、3社の開発したワクチンはどれも高性能であると言えます。
ただし、データからもわかるように、どのワクチンも100%効くわけではありません。
有効率を調べるテストでも、本物のワクチンを接種していながら、モデルナとファイザーの場合は5%、アストラゼネカの場合は30%ほどの人々が新型コロナウイルスに感染してしまいました。
現状、自分がこの不幸な5%あるいは30%の中に入っているかどうかは、感染するまで知ることができません。
さらにこの有効率は65歳以上の人々の間では低下していたこともわかりました。
この事実は非常に重要です。
有効率に限度があり、自分の体内で有効に働いているか確かめる術がない以上、ワクチンの接種がはじまったとしても、元のような生活には戻れる保証はないかもしれません。
次に、上位の成績を残したモデルナとファイザーのワクチンについてその特性を解説していきます。