ソーラーセル内では電子が移動するだけ。効率の改善が必要
前項では1つの光子と1つの電子の移動で発電の仕組みを解説しました。
実際にはソーラーセル内で同様の反応が大量に起こっており、このように光で電流が生じる現象を「光電効果」と呼びます。
メカニズムからも分かる通り、ソーラーセルの中で動くものは電子だけであり、摩耗したり消費したりするものがありません。そのためセル自体は何十年も使用できます。
しかし、ソーラーセルは効率の面で今後も改善が必要です。実際、商用ソーラーパネルの多くは光から電気への変換効率が15~20%しかないのです。
その理由は太陽光が吸収されずに反射されたり、飛び出た電子が電気回路に入る前にホールに戻ったりすることで光子のエネルギーが無駄になっているから。
それでも現在のソーラーパネル技術で全世界の電力需要を賄うことは可能だと言われています。
ただし設備を整えるための資金や数万~数十万平方キロの土地が必要です。
今後、安全でクリーンな太陽光発電はますます必要とされていくでしょう。
現在でも世界中の科学者が太陽光発電の様々な研究に打ち込んでいますから、新しい成果にも期待したいですね。