系外惑星WASP-107bのアーティストイメージ。
系外惑星WASP-107bのアーティストイメージ。 / Credit:ESA/Hubble, NASA, M. Kornmesser
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木星と同じ大きさなのに質量が10分の1しかない、ふわふわな「スーパーパフ惑星」を発見! (2/3)

2021.01.20 Wednesday

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スーパーパフが形成された位置は別の場所だった?

原始惑星系円盤のイメージ。若い恒星を取り巻く岩石などの塵や、氷の粒が惑星形成の材料となる。
原始惑星系円盤のイメージ。若い恒星を取り巻く岩石などの塵や、氷の粒が惑星形成の材料となる。 / Credit:A. Angelich (NRAO/AUI/NSF)/ALMA (ESO/NAOJ/NRAO)

惑星は、若い恒星の周りを取り巻く塵とガスによる円盤「原始惑星系円盤」から形成されます。

古典的なモデルでは、土星や木星のような巨大ガス惑星は、この円盤が散逸する前に大量のガスを捕獲し蓄積することで形成されると考えられています。

これを成し遂げるためには、少なくとも地球質量の10倍以上ある固体のコアが必要になります。

つまり、巨大なコアがなければ、大きなガスエンベロープを構築して維持することはできず、巨大ガス惑星は形成できないと考えられていたのです。

では、非常に軽いコアを持つ巨大ガス惑星「WASP-107b」の存在は、どうやって説明したら良いのでしょうか?

スーパーパフ研究の世界的専門家であるカナダ、マギル大学のイブ・リー教授は、これにはいくつかの仮設があると説明します。

「WASP-107bのもっとも妥当なシナリオは、惑星が主星から遠く離れた場所で形成されたというものです。そこでは円盤のガスは十分に冷たいため、降着が非常に速く発生する可能性があります」

これが、他の惑星との相互作用によって徐々に移動していき、現在の位置に落ち着いたというわけです。

この仮設を支える証拠も、この星系からは確認されています。

ここには「WASP-107b」の他に、「WASP-107c」という2つ目の惑星も発見されています。

WASP-107星系の2つの惑星軌道。青い領域はハピダブルゾーン。
WASP-107星系の2つの惑星軌道。青い領域はハピダブルゾーン。 / Credit:NASA

「WASP-107c」は主星からかなり離れていて、b惑星の公転周期が5.7日であるのに対して、このc惑星は公転周期が3年もあります。

そして、この「WASP-107c」の公転軌道は、「WASP-107b」に比べて離心率が高いのです。

離心率が高いとは、軌道の形が円形よりもだいぶ楕円に近いことを意味しています。つまり非常に歪んでいるのです。

これは惑星間の相互作用によって、惑星の位置がかなりの変位を受けていることを意味します。つまり、惑星の位置が大きく変化するような作用が、この星系内では過去に働いていたことを示唆しているのです。

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