火星の調査に向かう探査機のイメージ画像。
火星の調査に向かう探査機のイメージ画像。 / Credit:NASA/JPL-Caltech
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水、生命、テラフォーミング… ロマンの塊「火星」について現在わかっている8つの真実 (3/3)

2021.02.07 Sunday

前ページ火星に見られる自然現象

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火星をテラフォーミングできる可能性

火星に存在する生命の可能性

火星の極地。その下には液体の塩湖が存在する可能性がある。
火星の極地。その下には液体の塩湖が存在する可能性がある。 / Credit:NASA/JPL-Caltech/MSSS

多くの人が現在興味を惹かれる火星の話題といえば、やはり生命は現存するのか? そしてテラフォーミングは可能なのか? ということでしょう。

2020年9月に発表された研究では、火星にまだ液体の水が存在しているかなり有望な証拠が示されました

それによると、火星の極地の氷の下には、塩湖が封印されているようだといいます。

この氷底湖が非常に興味深い理由は2つあります。

1つはこの場所に生命がまだ存在する可能性があるということです。そして、2つ目は、この水が火星をテラフォーミングする際に役立つ可能性があるためです。

火星はかつて豊富な水が存在したとは言え、現在は液体の水の存在は直接確認されていません。

まだ大量の水が残っているかもしれないという事実は非常に衝撃的なものであり、火星を以前にも増して魅力的な惑星にしました。

特に火星生命の探索において、液体の水の存在はかなり重要です。

氷底湖以外でも、火星には地下水が存在する可能性が示されていて、これは好気性(酸素を好む)生命をサポートする可能性があります。

また、火星からはメタンが発見されています。メタンの発生源はまだ特定されていませんが、これは微生物の存在と密接に関連する分子のため、生命の兆候と捉える意見もあります。

火星で何らかの生命が発見される可能性は、調査を追うごとに高まってきています。

火星の南極地域から新たに3つの「氷底湖」を発見!火星に生命を発見する日が近づく? – ナゾロジー

マーズ・エクスプレスによる火星南極の画像。
マーズ・エクスプレスによる火星南極の画像。 / Credit:ESA / G. Neukum (Freie Universitaet, Berlin) / Bill Dunford

火星で建築資材を確保するさまざまな可能性

火星の土壌模擬物を圧縮して作られたレンガ。
火星の土壌模擬物を圧縮して作られたレンガ。 / Credit: UC San Diego.

カリフォルニア大学サンディエゴ校の研究チームによると、火星の土壌はレンガ造りに非常に適していて、ただ強く圧縮するだけで耐久性のあるレンガが開発できると報告しています。

これに必要なのは、1メートルの高さから落とした10ポンドハンマーに相当する圧力を加えることだけで、レンガを作るために土壌をオーブンで焼いたりする必要すらないのだといいます。

彼らは実際に火星の土壌模擬物質を使って実験して、これを確認しているといいます。

これが事実ならば、火星では思いの外、簡単に建築物を構築できる可能性があります。

まだ、別の研究では、火星で藻類を培養して、これをもとにバイオプラスチックを作るという研究も発表されています。

この方法では、さらにバイオプラスチックの温室を作り、火星の窪地を利用した農業を行うプランまで考案しています。

実現性がどの程度あるのかは、現在のところ不明ですが、こうした火星をテラフォーミングするための具体的なプランは、夢のある話しでワクワクさせられます。

地球にもっとも近い惑星「火星」。

さまざまな研究が進められてきましたが、それでもまだまだ火星には多くの謎が残されています。

この惑星に人類が降り立ち、より詳細な調査を行う計画もちゃくちゃくと進められています。

これからも、火星からはロマンに溢れた話をいろいろと聞くことができそうです。

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