木部フィルターの改善研究
木材は乾くと、フィルターとして機能している膜が壁に張り付いてしまい、ろ過能力が低下してしまいます。
また、時間が経過すると、木のフィルターは木質物質を蓄積させて導管をつまらせてしまいました。
これは以前からの研究で明らかでしたが、今回、この問題を非常に簡単な方法で解決できる方法が発見されました。
それは辺材の小さな断面をお湯に1時間浸した後、エタノールに浸して乾燥させるというものです。
これによって材料の透過性が保持され、時間が経過しても詰まることなく効率的に水をろ過できるようになったのです。
また、木の種類に応じてフィルターの厚さを調整することで、フィルター機能を改善できることもわかりました。
チームは、MITキャンパス周辺の松の枝の小さなスライスを、この方法で処理した場合、最大で2年間保管した後でも、市販フィルターに匹敵するろ過機能が発揮できることを確認しました。
さらにチームが、この処理された木部フィルターの能力テストを実行したところ、汚染物質の99%以上を除去できることが確認されました。
これは世界保健機構(WHO)が定める三段階の水処理レベルの中で、2番目(★2)のカテゴリを満たすろ過能力です。
「このフィルターは、細菌汚染物質に合理的に対処できると考えらます」と、研究の主執筆者であるMITの機械工学科のクリティカ・ラムチャンダー氏は述べています。
ただ、ヒ素やフッ化物のような化学汚染物質に対して、この木部フィルターがどの程度の力を発揮するかについては、まだわかっていません。