多様な腸内細菌叢は多くのメリットをもたらす
孤独の感じやすさや知恵といった複雑な人格特性が腸内細菌叢と関連があるのか?
疑問を確かめるために研究者たちは184人の被験者の腸内細菌叢を調べると共に、知恵の深さや孤独感の強さ、思いやりの心、社会的関与の様子などを記録しました。
結果、意外な事実が判明します。
より賢く、思いやりが強く、社会に積極的に関与している人ほど、多様な腸内細菌叢を持っていることがわかったのです。
また孤独感については、特に年齢が高い層において、多様な腸内細菌叢を持っている人ほど、孤独を感じにくいことがわかりました。
この結果は、古くから知られていた孤独と賢さの不思議な関係が、腸内細菌叢を介して証明されたことを示します。
ただ今回の研究では、賢くなったり孤独を感じなくなったりすると腸内細菌叢が多様化するのか、腸内細菌叢が多様化すると賢く・孤独を感じなくなるのかまでは断言できませんでした。示されたのは関連性のみだったからです。
しかし研究者たちは、おそらくどちらもある、と考えています。
つまり、賢くなったり、孤独を感じなくなるようにするために、まず腸内細菌叢から多様化させるという手段は、間違ってはいないということです。
そうなると、気になるのが腸内細菌叢の多様性の増やし方です。
ヨーグルトや善玉菌を飲めば多様性は増えるのでしょうか?