エピジェネティクスの観点から性格の変化を調べる
従来の組織行動学では、ヒトの性格は職場などの組織の影響を受けずに安定しているものと考えられてきました。
ところが新しい研究では、遺伝学とエピジェネティクス(遺伝子発現の研究)の観点から、性格の変化に対する新しい理解が示されています。
エピジェネティクスとは、DNA配列そのものではなく、遺伝子の一部の発現を変化させる研究です。
そして研究チームは、性格の変化とエピジェネティクスについて次のように述べています。
「私たちの性格特性の一部は遺伝に由来していますが、性格の構成自体は遺伝子だけに依存していません。むしろ、遺伝子のどの部分が発現しているかが重要です」
「遺伝子は一般的に不変ですが、その発現は不変ではありません。」
つまりエピジェネティクスの観点で見ると、親から受け継がれた遺伝子は変わりませんが、その中のどの部分が発現するかで、私たちの性格が変化するのです。
では遺伝子の発現に影響を与えるものとは何でしょうか?
研究チームは、環境の変化やそれに伴うストレスが大きく関係していると結論付けています。