殻を作る「バイオミネラリゼーション」とは
カタツムリの殻は、卵から生まれる前に作られ始めます。
貝殻腺(shell gland)という部位から殻の材料となる成分が分泌され、先に述べた有機層が最初に作られます。
これをベースにして、ミネラルを積み上げ、硬質化していく「バイオミネラリゼーション」が始まるのです。
バイオミネラリゼーションとは、生物の鉱物形成作用のことで、貝殻やサンゴ、真珠、骨や歯もこれによって作られます。
小さな殻を持って孵化した2ミリほどのカタツムリの赤ちゃんは、成長過程で殻をらせん状にどんどん大きくしていきます。
殻の中には内臓が入っており、体の一部となっているので、無理に殻を取ろうとすればカタツムリは死んでしまいます。
また、殻の材料となる成分は、水や食べ物から摂取しています。
ミネラルは土の中の水に含まれていますし、雨に濡れたコンクリートから溶け出す炭酸カルシウムも貴重な材料源です。
梅雨時期にカタツムリがたくさん出てくるのは、このためと言われています。
ちなみに、カタツムリとよく似たナメクジは、実はカタツムリの進化した姿であり、別の生き物です。
カタツムリの一グループにおいて、移動に不便な殻を失くす方向に進化したのが、ナメクジとされます。
ですから、カタツムリの殻を外したとてナメクジにはなりません。
これからの時期、ナメクジやカタツムリをよく見かけることになりますが、塩をかけたり、殻を外したりする蛮行は控えましょう。
すごい詳しかった👍