105歳を超える人は「常人にはない長寿の遺伝子」を持っていた
老化は結局のところ、DNAについた傷を上手く治せないために生じます。
DNAは体の設計図です。日常では、日光や放射線、細胞代謝などさまざまな要因により傷つけられています。
細胞にはDNAの修復能力が存在するため、傷による多少のエラーは問題になりませんが、何十年も生きていると治しきれないエラーが増大して細胞の機能が低下し、結果的に老いとなって現れます。
例えば年齢と共に肌がしおれてくるのは、コラーゲンなど潤いのある肌を作るのに必要な遺伝子に傷がつき、上手く修復できなかったため、生産量や生産品の質が低下するからです。
現在の技術では体細胞DNAに蓄積されていくエラーを止める手段は存在せず、老いが限界に至ると、細胞が満足に動かなくなり、死に至ります。
しかし今回、105歳を超える76人と110歳を超える5人の遺伝子の全ゲノムを解析した結果、定説に反する、奇妙な事実が判明しました。
105歳から110歳の超長寿の人々は、解析された7つの遺伝子のうち6つで、彼ら若い人々(平均年齢68歳)よりDNAのエラーが、彼ら若い人々(平均年齢68歳)が少なかったのです。
この結果は、超長寿の人々のDNAは通常の人々に比べて、上手く修復されているか、そもそもDNAの傷がつきにくい体質であることを示します。
いったいどうしてこんなことが起きているのでしょうか?