最新の研究により、幼少期に虐待やネグレクトなどの不遇を経験したアーティストほど、出来事に対してより激しく、クリエイティブな感じ方をすることがわかりました。
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fpsyg.2018.00111/full
研究では83人の俳優、ディレクター、デザイナー、129人のダンサー、20人のオペラ歌手を含むミュージシャンが対象。幼少期の精神的、肉体的、性的虐待やネグレクト、ドメスティック・バイオレンスといった幼児期の不遇な体験の数や強弱に基づき、彼らを4つのグループに分け、緻密なアンケート調査などを用いて調査を行いました。
その結果、幼少期に不遇な経験をしていたアーティストほど、より激しいクリエイティブな経験を持つことがわかったのです。そのような人ほど作品をつくりあげるプロセスにおいて、たとえば以下のようなことに同意しています。
・クリエイティブなプロセスは、爆発しそうな感情を含んでいるが、それにより安心感も得られる
・自分自身と作品との間に境界線がないように思える
・クリエイティブさの追求により、人生をコントロールしている感覚が得られる
研究をおこなったカリフォルニア州立大学のポーラ・トムソン教授は、「多くのアーティストが、幼少期にたくさんの不遇を経験していた事実に胸が痛くなりました。しかし、彼らは自分のパフォーマンスに情熱を抱いています。人間のすべてを表現しているのです」と語っています。
「クリエイティブさ」とは「筋肉」のようなものなのかもしれません。現実が直視できない状況に置かれた人ほど、そこから逃れるために「クリエイティブさ」を鍛える。悲しいことですが、だからこそ人を惹きつける作品を生み出す原動力となり得るのでしょう。
via: psypost / translated & text by なかしー
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