史上最大のサイは「アフリカゾウ5頭分」?
パラケラテリウム属は、ユーラシア大陸を中心に、およそ3600万〜2400万年前まで存在したツノなしの巨大サイです。
今回発見された新種は、その6番目の記載種として、「パラケラテリウム・リンシアンス(Paraceratherium linxiaense)」と命名されました。
パラケラテリウムはやや細身の胴体と4本の脚を持ち、首も長く、形としては今日のサイよりもウマに近いです。
平均的なサイズは、体長7メートル、肩高4メートル、首長2〜2.5メートル、体重11〜20トンとされています。
頭蓋骨の比較分析から、新種のサイズは、体長8メートル、肩高4.8メートルと算出。
驚くべきはその体重で、完全な化石が存在しないため正確な値ではありませんが、推定で約24トンとされています。
これはアフリカゾウ3〜5頭分とほぼ同じ重さです。
現存するサイ(体長2メートル)とは比べ物になりませんし、パラケラテリウム属の中でも最大種と見られます。
研究主任のタオ・ドン氏は「木の葉っぱを食べるために後ろ足で立つと高さ7メートルには達したでしょう」と話します。
頭蓋骨の分析から、新種には鼻の幹が比較的短く、首が長くて、鼻腔が深いという特徴がありました。
これはカザフスタンで発見された「パラケラテリウム・レピドゥム(P. lepidum)」に似ており、南方のパキスタンで見つかった「パラケラテリウム・バグチエンス(P.bugtiense)」は、これらより少し小さく、鼻腔も浅いです。
さらに他の種の分布と形態を合わせると、パラケラテリウムはかつて、モンゴル高原から中国北西部、カザフスタン、そしてチベットを経由してパキスタンまで移動したと推測されます。
パラケラテリウムは、それぞれの場所に適応し、3600万〜2400万年前の間にいくつかの種に分岐したようです。
一方で、彼らがその後どのような運命をたどり、絶滅していったのかは分かりません。
研究チームは今後、パラケラテリウムの絶滅原因を解明するべく、調査を継続する予定です。