大腸菌によってペットボトルをバニリンに変換
研究チームは、ペットボトルをリサイクルするために、人間の体内で見られる大腸菌に注目しました。
そして研究室で設計された大腸菌は、ペットボトルに含まれる分子テレフタル酸をバニリンに変換できるのです。
実際、チームは分解された使用済みペットボトルやプラスチック廃棄物に大腸菌を加え、バニリンが生成されることを証明しました。
ちなみにチームによると、「生成されたバニリンは人間が食べても問題ない」とのこと。
しかし、今後の研究で安全性を実証しなければいけないでしょう。
今回の研究の成果は、一度に2つの必要を満たす画期的な発見だと言えます。
世界では毎分約100万本のペットボトルが販売されていますが、リサイクルされるのはわずか14%であり、さらに多くのリサイクル先が必要とされています。
また、私たちはバニリンが大好きです。
バニリンは食品以外にも洗浄剤や化粧品の業界で幅広く利用されており、2018年の世界需要は3万7千トンでした。
将来、私たちの多くが、ペットボトル由来のバニラ香料を楽しんでいるかもしれませんね。