マルチサイトレーダーで対象の位置を割り出す
携帯電話が屋内でも使えるように、無線信号は基本的にコンクリート、乾式壁、木、ガラスなどほとんどすべてのものを通過します。
これをレーダーのように使用して、壁の向こう側にある物体を発見しようというのが今回の研究です。
この方法は「m-Widar (microwave image detection, analysis and ranging)」と名付けらています。
日本語にすると「マイクロ波による画像検出、分析、および測距」という意味です。
そういわれても、あまりイメージがわきませんが、やっていることはマルチサイトレーダー(multisite radar)のコンセプトと同じです。
マルチサイトレーダーは、複数の電磁パルスを発射して、ターゲットに当たったエコーを受信し、信号の往復時間を使って三角測量法で対象の位置を特定する技術です。
今回のシステムは、これを無線信号を使って行ったというものです。
実験装置は下の画像のようなもので、手前に12個の円筒が並んでいますが、これが無線信号の発信源です。そしてその中央に受信機が設置されています。
こうした装置で、マルチサイトレーダーと同じようにして壁の向こう側にいる人の反応を探ったのです。