心理的なストレスも考慮しなければならない
シルバッハ氏は、貧困層が睡眠に問題を抱える原因として、単純に環境の問題だけでなく心理的な要因も深く理解する必要があると語ります。
「貧困層はストレスが多く、それが睡眠の妨げになっている可能性も十分に考えられます。
環境的要因、心理的要因、それらがどのように睡眠の質に影響するか検討する価値はあるでしょう」
実際のところ、人々の日常生活における睡眠を研究している例はあまりない、とシルバッハ氏はいいます。
インドの貧困層はかなり極端な例ですが、日本の都会に暮らす人々であっても、似たような問題は存在しているでしょう。
騒音の問題や、ストレスなどで、頻繁に目が覚めてしまうなど、睡眠の質を確保できていない人は、単に睡眠時間を長くとるという方法を実行しても、活動時間を制限されるだけになってしまう可能性があります。
睡眠の質を向上させることがなによりも重要なことかもしれません。
シルバッハ氏は「人々の生活に目を向けて、もっと睡眠の研究をしてほしい」と今回の研究から得られた結果について、その思いを語っています。