メガロドンは、なぜ絶滅したのか?
では、なぜ巨大な海の王者のようなメガロドンは絶滅してしまったのでしょうか。
その理由は、「海が寒くなったせいで、メガロドンが速く動けなくなったから」と推定されています。
しかし、私達人間などは、周囲が寒くなっても動くことができます。一体、どういう違いなのでしょうか。
爬虫類、両生類、魚類、昆虫は「変温動物」といい、体温が周囲と同じ温度になります。
周囲の温度が寒くなりすぎると体温も下がっていまい、エネルギー不足で動けなくなってしまいます。
一部恒温動物(クマ、ヤマネ等)もいますが、冬眠をする動物の多くは変温動物です。
以前筆者は理科の解剖の授業で、魚を氷水漬けにして動きを止める「氷冷麻酔」を行なっていました。
死亡するわけではないため、動く内臓が確認できるためです。
これも魚類の変温性を利用した方法でした。
メガロドンのような変温動物達は、食べることでエネルギーを得て、海水温より少しだけ高い体温を維持し、動くことができました。
しかし、海が寒冷化し海水温が下がってしまった時、優位に動くことができたのが、哺乳類、鳥類などの「恒温動物(こうおんどうぶつ)」です。
恒温動物は、周囲の温度に関係なく体温をほぼ一定に保つ能力があるため、動きが止まることはありません。
例えば私達は、冬の北海道では身体を縮こまらせて、毛穴を引き締めて、体温を逃さないようにしながら歩いています。
夏の沖縄に行けば、汗をかいて気化熱を利用して体温を下げながら歩けるのです。
人間は北海道でも沖縄でも、体温を36℃付近に保ち、そのために、たくさん食べてエネルギーを得ています。
つまりメガロドンが動けなくなってしまった一方、恒温動物であるアザラシ、クジラ、イルカ、シャチたちは速く動くことができました。
クジラ類はメガロドンのメインの食料でしたが、素早く逃げられてしまったでしょう。シャチは獰猛な肉食ハンターですから、メガロドンは食料を奪われてしまったのかもしれません。
こうして、食料を得ることが出来なかったメガロドンは、絶滅していったと考えられています。