何気ない変化に対する気付きの重要性
今回の研究によって、地震の影響を水文学的な見地から分析することで、地震は木の成長速度の制御要因であることが示されました。
地震によって地下水脈が変動し、山の高い場所での水量が減少する一方で、低い場所での水量が増加し、低い場所にはえている木の成長速度を増加させていたのです。
ただこの結果は、地球上に存在する全ての木に当てはまるわけではありません。
水量の増加が光合成速度に影響を与えるのは、乾燥地帯に限られる可能性があり、水量が年間を通して多い地域で、同様の影響が地震によって発生するかは未知数です。
ただ小川の水量というたった1点のみから、地震と木の成長速度の関係を的確に見抜いた水門学者モーア氏の慧眼には、学ぶべきことは多いと言えるでしょう。