新種鉱物の発見
鉱物は、自然界に存在するさまざまな物質が、地球作用によって一定の化学組成と結晶構造を持って生まれたものです。
この一定の化学組成と結晶構造によって、鉱物の「種」は分類されます。
もし、新種の鉱物が見つかった場合は、その報告を受けて国際鉱物学連合の「新鉱物の命名・分類のための委員会(Commission on New Minerals, Nomenclature and Classification)」が審査を行い、承認を与えます。
これにより、初めて新種鉱物が世の中に認定されるのです。
今回報告された新種の鉱物は、アフリカの鉱山で採掘されたダイヤモンドの中から発見されました。
発見を報告したのは、ネバダ大学ラスベガス校の地球化学者オリバー・チャウナー(Oliver Tschauner)氏が率いる研究チームです。
チャウナー氏は、この新種の鉱物に「Davemaoite」という名前を付けました。
新種鉱物の名前の付け方にも命名規則があり、通常は発見者名や発見地の地名の最後にギリシア語で石を意味する「ite(アイト)」を付けます。
よく鉱石や宝石の名前に「なんとかナイト」とか「なんとかライト」「なんとかタイト」という名前を見かけるのは、この命名規則によるものです。
チャウナー氏は、発見した鉱物の名前に、地球物理学の分野で先駆的な発見をした有名な科学者「Ho-kwang ‘Dave’ Mao:毛河光 マオ・ホークアン)」の名前を採用し、「Davemaoite」としたのです。
日本語で読むなら「デイブマオアイト」となるかもしれませんが、新種名なので正式な日本語読みは、いずれ日本の科学者から提供されることになるでしょう。
チャウナー氏は新種鉱物について次のように述べています。
「これは通常、地球表面には存在しない鉱物ですが、地球深部で熱の流れに大きな役割を果たしていることを垣間見ることができます」
なんだか気になることを言っていますが、研究者の述べる、地球表面に通常は存在しない鉱物とは、どういうことなのでしょう?