木の枝にとまり、頭の黄色い羽を扇のように立てた、白い大きなオウム No.0027

ナゾロジー図鑑 ・ 生き物

オウム

Psittaciformes

かぎ形のくちばしで、かたい種子を割る。
道具を使う種や、人の言葉をまねる種もいる。

ナゾロジーの記事
34本
なかま(オウムとインコ)
約410種
長生きの記録(クルマサカオウム)
83歳

オウムとインコは、かぎ形のくちばしと、前後2本ずつに分かれた足ゆびをもつ鳥のなかま(オウム目)で、約410種がいます。熱帯や亜熱帯を中心に、オーストラリアのまわりや南アメリカに多くすみます。道具を使うほど頭がよく、人の言葉をまねる種もいます。

図鑑データ

分類
動物界 › 脊索動物門 › 鳥綱 › オウム目(インコ目)
学名
Psittaciformes(オウム目)
英名
parrot(パロット)。オウム科は cockatoo(コカトゥー)
漢字
鸚鵡(オウム)、鸚哥(インコ)
なかま
約410種。オウム科・インコ科・ヨウム科・フクロウオウム科の4科
大きさ
いちばん小さいなかまとして知られるアオボウシケラインコは全長8〜9cmほど。スミレコンゴウインコは全長1m、カカポは体重4kgになる
体のつくり
強く曲がったくちばし。足ゆびは2本が前、2本が後ろ(対趾足)。オウム科は動くトサカ(冠羽)をもつ
すみか
熱帯・亜熱帯が中心。オーストラリアのまわりと南アメリカに種が多い
日本では
野生のなかまはもともといない。ペットが野生化したワカケホンセイインコが、1969年から東京都などに定着
食べもの
種子・木の実・果物・花の蜜や花粉など。昆虫などの動物を食べる種もいる
寿命
大型種では80年の報告がある。クルマサカオウムの「クッキー」は83歳まで生きた。小型種は種や飼い方でちがい、20年をこえた例もある
保全状況
約3分の1の種に絶滅のおそれ。ほとんどの種の国際取引がワシントン条約で規制されている

オウムとは(何類? オウムとインコのちがい)

オウムは、鳥のなかま(鳥類)です。オウムとインコは、どちらも「オウム目(もく)」という同じグループに入ります。オウム目には約410種がいて、強く曲がったくちばし、まっすぐ立つ姿勢、かぎづめのある足をもつのが共通の特徴です。日本の鳥の目録(日本産鳥類目録 改訂第7版)では、このグループを「インコ目」と呼んでいます。

オウム目は、ふつう次の4つの科に分けられます。

  • オウム科:キバタンやオカメインコなど20種あまり。オーストラリアとそのまわりの島にすみます。
  • インコ科:セキセイインコやワカケホンセイインコ、ヒインコのなかまなど、アジア・太平洋・オーストラリアのインコ。
  • ヨウム科:ヨウムやコンゴウインコ、ボウシインコのなかまなど、アフリカと南北アメリカのインコ。
  • フクロウオウム科:カカポ(フクロウオウム)やミヤマオウム(ケア)など、ニュージーランドのなかま。

オウムとインコのちがいは?

分類のうえでは、「オウム」はオウム科の鳥をまとめた呼び名、「インコ」はインコ科とヨウム科の鳥をまとめた呼び名です。オウム科の鳥は、頭のてっぺんに「冠羽(かんう)」と呼ばれるトサカをもっていて、立てたりねかせたりできます。冠羽は、着地したときや興奮したときに立ちます。インコのなかまは、ふつう冠羽をもちません(頭に飾り羽をもつヒオウギインコのような例外もいます)。

羽の色にもちがいがあります。オウム科の鳥は白・灰色・黒の羽の種が多く、冠羽やほお、尾に黄色・ピンク・赤が入るものが目立ちます。モモイロインコのように、体の広い部分がピンク色の種もいます。インコのなかまは緑の羽が多く、青や赤などのあざやかな色の種もいます。インコの羽には、光を散らして明るい青や緑に見せる「ダイクテクスチャー」というつくりがありますが、オウム科の羽にはこれがありません。また、オウム科の鳥は、ふつうインコより大きめです。

ただし、名前はいつも分類のとおりではありません。オカメインコやモモイロインコは、名前に「インコ」とつきますが、オウム科の鳥です。オカメインコは、オウム科でいちばん小さい種です。

畑のわきの針金のフェンスに、灰色の体で頭が黄色い小鳥が10羽ならんでとまっている
フェンスにとまる野生のオカメインコ写真: Caroline Jones(CC0) / Wikimedia Commons

英語では、オウム目の鳥をまとめて parrot(パロット)と呼びます。オウム科の鳥は cockatoo(コカトゥー)と呼ばれ、この名前はマレー語の呼び名がもとになっています。

大きさと体のつくり(特徴・くちばし・足・鼻・羽)

オウム目は、鳥の目(もく)の中でも、体の長さのちがいがとくに大きいグループです。いちばん小さいなかまとして知られるアオボウシケラインコは、全長8〜9cmほどです(体重は資料によってちがいます)。スミレコンゴウインコは全長1mに達し、いちばん重いカカポ(フクロウオウム)は体重4kgにもなります。

ニュージーランドでは、約1900万〜1600万年前の地層から、巨大なオウム目の鳥の化石が見つかっています。2019年に「ヘラクレス」と名づけられたこの鳥は、体重が約7kgと推定され、今いちばん重いカカポの2倍ほどありました。立った高さは90cmほどあったと考えられています。

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  • くちばし:上のくちばしは大きく下向きに曲がり、先がとがっています。頭の骨とは動くつなぎ目でつながっていて、下のくちばしとべつべつに動かせるので、とても強い力でかめます。大きなコンゴウインコのかむ力は、1平方cmあたり35kgほどで、大きなイヌに近いとされます。くちばしのふちには、ふれたものを感じるしくみがあり、細かい作業ができます。
  • 舌:種子を食べる種は、強い舌をもっています。種子をくちばしの中で動かして、殻を割りやすい位置にあわせます。
  • 足:足ゆびは4本のうち2本が前、2本が後ろを向く「対趾足(たいしそく)」です。枝にしっかりつかまれるうえ、多くの種は、人が手を使うように、足で食べものをつかんで口に運べます。オーストラリアのオウムやインコを調べた研究では、おとなの鳥は、えさをつかむ足がほぼ「左足」か「右足」のどちらかに決まっていました。
  • 鼻:セキセイインコでは、くちばしのつけ根にある「ろう膜(ろうまく)」という、やわらかい皮が鼻の穴をつつんでいます。多くのセキセイインコでは、おとなになると、ろう膜の色でオス(青)とメス(茶色や白っぽい色)を見分けられます(オスでも青くならない品種もあります)。
  • 目:目は頭の高いところの左右についていて、首を回さなくても、くちばしの先の下から頭の上、かなりうしろまで見わたせます。人には見えない紫外線も見えます。
緑の葉の茂る木の枝で、頭の黄色い緑のインコが、片足で食べものをつかんでいる
足で食べものをつかむボウシインコ写真: palindrome6996(CC BY 2.0) / Wikimedia Commons

羽の色は、多くの種で緑が中心です。オスとメスで見た目がほとんど変わらない種が多いのですが、オオハナインコはオスが緑、メスが赤で、ひと目で区別できます。また、人の目には同じに見えても、紫外線で見るとオスとメスで羽の色がちがう種もいます。オウム科の鳥は、腰のあたりの特別な羽から出る「脂粉(しふん)」という細かい粉を、羽づくろいで全身の羽にゆきわたらせます。

灰色のうろこ模様の羽をもつ鳥の横顔。黒く曲がったくちばしと、白い顔に黄色い目
ヨウムの顔とくちばし写真: H. Zell(CC BY-SA 3.0) / Wikimedia Commons

木に登るときは、くちばしで枝をくわえたり引っかけたりして、3本目の足のように使います。地面の上では、体をゆらしながら、よたよた歩きます。

どこにいる?(どこの国の鳥? 日本では)

オウムやインコは、熱帯と亜熱帯を中心に、オーストラリアと太平洋の島々、南アジア、東南アジア、中央アメリカ、南アメリカ、アフリカにすんでいます。種の数がとくに多いのは、オーストラリアのまわり(オーストララシア)と南アメリカです。カリブ海や太平洋には、その島にしかいない種がすむ島もあります。

うす曇りの空を、尾の長い赤い大型のインコが2羽、つばさを広げて飛んでいる
空を飛ぶコンゴウインコ写真: Uriel caballero quispitupa(CC BY-SA 4.0) / Wikimedia Commons

オウム科の鳥は、インコよりずっとせまい地域にしかいません。自然の中ではオーストラリアと、フィリピン・インドネシア・ニューギニア・ソロモン諸島などにすみ、半分ほどの種はオーストラリアだけにいます。

寒い地域にすむ種もいます。南アメリカやニュージーランドの涼しい温帯にもオウム目の鳥がすみ、ニュージーランド南島の森林や高い山には、ミヤマオウム(ケア)がくらしています。北アメリカの温帯にいたカロライナインコは、森の伐採や狩りなどで数をへらし、20世紀のはじめに絶滅しました。野生で最後に確かめられたのは1910年で、最後の1羽は1918年に動物園で死にました。

草の生えた岩の上を歩く、オリーブ色の羽と長く曲がったくちばしの大きな鳥
ニュージーランドの山のミヤマオウム写真: Krzysztof Golik(CC BY-SA 4.0) / Wikimedia Commons

日本では(野生化したワカケホンセイインコ)

日本には、もともと野生のオウムやインコはすんでいません。けれども、ペットとして飼われていたものが逃げ出して、野生化しています。インドやスリランカにすむワカケホンセイインコは、1969年に東京都で初めて定着が確認され、その後、関東地方をはじめ各地で生息や繁殖が確認されています。木の穴を巣に使う在来の鳥から巣の場所をうばうなど、生態系への悪い影響が心配されています。

セキセイインコも、各国で逃げ出したものが野生化していて、日本でも都市部の川原などで群れが見られることがあります。

何を食べる?

多くのオウムやインコにとって、いちばん大事な食べものは種子です。ほかに木の実、果物、つぼみ、花の蜜や花粉なども食べます。大きく強いくちばしは、かたい種子を割って食べるために進化したと考えられています。

種子を食べるときは、種子を上下のくちばしではさみ、下のくちばしで殻を割ります。そして、舌で種子を回しながら、残った殻を取りのぞきます。大きな種子は、足でおさえて食べることもあります。

果物を食べているように見えても、じつは中の種子が目当てのことが多く、多くの種子をかみくだいて食べてしまいます。身を守るための毒をもつ種子も多いので、毒のある種皮などをていねいに取りのぞいてから食べます。

南北アメリカやアフリカ、パプアニューギニアの多くの種は、粘土を食べます。粘土はミネラルをあたえてくれるうえ、腸の中の有害な物質をすいつけてくれます。

赤茶色の土の崖に、青と黄色、赤と青などのあざやかな大型のインコが十数羽とまっている
粘土を食べに集まるコンゴウインコたち写真: Brian Ralphs(CC BY 2.0) / Wikimedia Commons

ヒインコ(ローリー、ロリキート)のなかまは、おもに花の蜜と花粉を食べます。舌の先がブラシのようになっていて、蜜や花粉を集められます。

白い花がたくさん咲いた細い葉の木の中で、花に頭を入れて蜜を食べる緑のインコ
花の蜜を食べるゴシキセイガイインコ写真: John Robert McPherson(CC BY-SA 4.0) / Wikimedia Commons

動物を食べる種もいます。ニュージーランドのミヤマオウムは、根や葉、木の実、蜜、昆虫などのほか、動物の死体も食べ、まれに生きたヒツジをおそうこともあります。キイロオクロオウムは、木の種子などのほか、くさりかけた木から虫の幼虫を引き出して食べます。

頭のよさ(道具を使う・先を考える・まねして広める)

オウムやインコは、カラスのなかま(カラス科)とならんで、鳥の中でもっとも頭がよいグループと考えられています。体の大きさにくらべた脳の大きさの割合は、サルや類人猿のなかまに匹敵します。

鳥の脳は小さいのに、なぜ頭がよいのでしょうか。2016年の研究では、28種の鳥の脳を調べ、オウム・インコや鳴き鳥の脳には、哺乳類よりずっと高い密度で神経細胞(ニューロン)がつまっていることが分かりました。そのため、大型のオウムやインコの前脳の神経細胞の数は、ずっと大きな脳をもつサルと同じか、それより多いほどです。

言葉の意味を答えたヨウム「アレックス」

動物心理学者のアイリーン・ペッパーバーグは、ヨウムの「アレックス」を30年にわたって研究しました。アレックスは、言葉を使って、ものの名前を答えたり、ものについて説明したり、数を数えたりできました。「赤い四角はいくつ?」のような質問にも、80%以上の正確さで答えたとされます。

道具を使い、先を考える

  • 道具をセットで運ぶ:インドネシアのタニンバル諸島にすむシロビタイムジオウム(ゴフィンオウム)。飼育されている個体を使った2023年の研究では、2つの道具を順番に使う課題で、使う前から両方の道具を選んで、いっしょに運べる個体がいることが分かりました。道具を「セット」で使う例は、野生ではチンパンジーとこのオウムでしか報告されていません。
  • えさに「味つけ」:同じシロビタイムジオウムでは、2025年に、麺などのえさをヨーグルトにつけてから食べる行動も報告されました。実験では18羽のうち9羽がえさをヨーグルトにくぐらせ、味のないヨーグルトよりブルーベリー味のヨーグルトを好みました。それまでニホンザルで観察の報告しかなかった「味つけ」を、霊長類以外の動物で、実験によって確かめた研究です。
  • ばちを作って木をたたく:ヤシオウムは、野生でふだんから道具を使うことが知られている、数少ないオウム目の鳥です。オーストラリア北部のオスは、木の枝や種のさやで「ばち」を作り、木をリズムよくたたいてディスプレイ(アピール)をします。2023年の研究では、70本の木から256本の道具を集めて調べました。89%は枝のばちで、ばちの長さや太さ、重さには、オスごとにちがう好みがありました。
  • くちばしをなくしたミヤマオウム「ブルース」:飼育されているオスのブルースは、上のくちばしがありません。2021年の研究では、ブルースが小石をくわえて、羽づくろいの道具にしていることが報告されました。さらに2026年の研究では、ブルースが、なかまのオスとの争いで負けなしの「ボス」で、ストレスホルモンもいちばん低かったことが分かりました。くちばしで突く、新しいわざを編み出していたのです。
  • パズルを解くオスがモテる:セキセイインコを使った2019年の研究では、メスは、はじめは好んでいなかったオスでも、そのオスがえさを取り出すパズルを解くところを見たあとは、そのオスを好むようになりました。

地面の上で、ぼさぼさのトサカを立て、大きな黒いくちばしで食べものをかじる黒いオウム
ヤシオウム写真: JJ Harrison(CC BY-SA 3.0) / Wikimedia Commons

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まねして広がる「文化」

オーストラリアのシドニーでは、野生のキバタンが、家庭のごみ箱のふたを開けて、中の食べ残しをあさります。2021年の研究によると、このやり方は、なかまを見て覚える「社会学習」で、3つの地区から44の地区に広がりました。地域によってふたの開け方にちがいもあり、研究者は、オウムにも食べものをとる「文化」があることを示す例だとしています。

シドニーの西部では、キバタンが、ハンドルをひねって水を出す公共の水飲み場から、水を飲むようになりました。うまく飲むには一連の動作が必要で、2025年の研究では、観察された試みのうち成功したのは41%でした。この行動も、その地域の新しい「伝統」として広がったと考えられています。

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頭のよさのもとを、遺伝子から探る研究もあります。2018年の研究では、ボウシインコのなかま(Amazona aestiva)のゲノム(全遺伝情報)を読み、ほかの30種の鳥とくらべました。その結果、オウム・インコだけがもつ遺伝子の特徴が見つかり、その中には、脳の発達や、鳴き声を学ぶ脳の回路にかかわるものがありました。

人の言葉をまねるのはなぜ?(しゃべる・鳴き声・ダンス)

多くのオウムやインコは、人の言葉やほかの音をまねできます。鳥の中で、聞いた鳴き声を覚えて出せる(発声学習ができる)ことがよく知られているのは、オウム・インコのなかま、スズメのなかまの鳴き鳥(鳴禽類)、ハチドリの3つのグループです(カモのなかまにも、人の声をまねた例があります)。中でもオウムやインコのものまねは、人以外の動物でもっとも高度だとされています。

鳥には、人のような声帯がありません。気管の根もとにある「鳴管(めいかん)」という器官に空気を通して音を出し、鳴管のまわりの筋肉や、舌・くちばしの動きなどで、いろいろな音に変えます。2015年の研究では、オウム・インコの脳には、ほかの鳴き鳥と同じような鳴き声を学ぶ回路(コア)に加えて、そのまわりに、オウム目だけがもつもう1つの回路(シェル)があることが分かりました。

なぜまねをするのかは、まだはっきり分かっていません。ただ、鳥のひなは、親や群れの中で強いなかまの声をまねて、鳴き方を覚えることが知られています。また、まねをする鳥は、問題を解く力をはかるテストでも、高い成績をとることが多いとされます。

しゃべるのがとくに上手なことで知られるのはヨウムで、ボウシインコのなかまの一部がそれに次ぐとされます。小さなセキセイインコでも、100種類以上の単語をしゃべった個体が記録されています。一方、オウム科の鳥は、アカビタイムジオウムのような例外をのぞいて、ふつうは人の言葉のまねがあまり上手ではありません。

野生でも、まねは見られます。オーストラリアのシドニーの公園では、野生のオウムやインコが「Hello darling!」などの言葉を口にします。人に飼われていた鳥が群れに加わり、なかまに広めたと考えられています。

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鳴き声

野生のオウムの鳴き声は大きく、耳ざわりなほどです。なかまを見分ける、敵が来たことを知らせる、気分を伝える、群れのつながりを保つ、巣を守るなど、いろいろな目的で鳴き声を使います。使う鳴き声の種類は種によってちがい、ニシオジロクロオウムは15種類もの鳴き声を使い分けます。

音楽に合わせて踊る

アルーキバタン(キバタンの亜種)の「スノーボール」は、音楽に合わせて頭をふったり、足を上げたりして踊ります。2009年に発表された研究では、曲の速さを変えても、スノーボールが拍子に合わせて体を動かせることが確かめられました。人以外の動物が音楽の拍子に合わせて動けることを、実験ではっきり示した研究です。2019年の研究では、スノーボールが14種類もの動きを見せ、その中には自分で考え出したとみられる動きもありました。

2025年の研究では、SNSに投稿されたオウム科5種の動画45本を調べ、これまで記録のなかった17種類のダンスの動きを見つけました。オウムやインコが音楽に合わせて動けるのは、人と同じように鳴き声を学ぶ動物で、脳の中で「聞く」と「動く」をつなぐ回路が強いためではないかと考えられています。

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くらしと寿命(つがい・巣・なぜ長生き?)

多くのオウムやインコは群れでくらします。つがいは一夫一妻で、きずなが強く、子育ての時期以外もいっしょにすごし、おたがいに羽づくろいをし合います。

巣は、ほとんどの種が、木の穴(樹洞)や、崖・土手・地面の穴、シロアリの巣などのすきまにつくります。木の上に巣を編むのは、オキナインコと、ラブバード(ボタンインコのなかま)のうち5種だけで、地面に巣をつくる種もいます。卵は白く、温める期間は17〜35日で、大きな種ほど長くかかります。生まれたひなは羽がほとんどなく、しばらくは親の世話が欠かせません。

知らない相手と仲よくなるときには、慎重なようすが見られます。2025年の研究では、知らないオキナインコどうしを1つの群れにまとめて、22日間観察しました。知らない相手どうしは、いきなりふれ合わず、まずはさわらずに近くにいる「様子見」をしてから、少しずつ親しい行動に進むことが分かりました。

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顔の表情を使っているかもしれない、という研究もあります。飼育されているルリコンゴウインコを調べた2018年の研究では、世話をする人と向き合ってやりとりしているとき、頭の羽を立てることが多くなりました。そのときの写真は、ほおの羽のない部分が赤くなっている(赤面している)と見られることも多くありました。

飛ぶことは、気分にもかかわっているようです。オウム科のモモイロインコを調べた2026年の研究では、飛ぶ機会があると、どの個体もほぼ必ず飛びました。そして、飛べない日が続くと、悲観的な反応をしやすくなりました。一方、ニュージーランドのカカポは、飛ぶことができないオウムとして知られます。

寿命は? 何年生きる?

オウムやインコは、体の大きさのわりに長生きです。大型のオウムやボウシインコ、コンゴウインコでは、80年以上生きた記録があります。100歳をこえたという話もありますが、年齢がはっきりしないものです。一方、ラブバードやセキセイインコなどの小型の種の寿命は、種や飼い方によってちがい、20年をこえて生きた例もあります。セキセイインコの飼育下での寿命は、ふつう8〜10年です。

記録に残る長生きの例として有名なのは、アメリカのブルックフィールド動物園にいたクルマサカオウムの「クッキー」で、2016年に83歳で死にました。ヨウムは、飼育下で40〜60年生きることがありますが、野生での平均寿命は約23年と、もっと短いようです。

なぜ長生き?

理由の1つとして、頭のよさとの関係が考えられています。2022年の研究では、動物園の記録から244種・13万羽あまりのオウム目の鳥の寿命を調べ、体の大きさにくらべて脳が大きい種ほど長生きであることが分かりました。研究者は、頭がよくなるように進化したことが、長生きにつながったと考えています。

遺伝子からの研究もあります。2018年の研究では、オウム・インコやそのほかの長生きの鳥で、DNAの傷を直すしくみや、細胞がふえすぎないようにするしくみ、テロメラーゼの働きなどにかかわる遺伝子に、強い自然選択がはたらいたあとが見つかりました。

大型の種は、おとなになるまでに何年もかかり、1年に育てる子は1羽かごくわずかで、毎年子を育てるとはかぎりません。オウム科では、メスが初めて子を産むのは3〜7歳ごろとされますが、オカメインコのように1歳ほどで繁殖できるようになる種もいます。

名前の由来と人とのかかわり(オウム病・数をへらす種)

オウムは漢字で「鸚鵡」、インコは「鸚哥」と書きます。オウム目の学名 Psittaciformes は、古代ギリシャ語でオウムを指すことば「プシッタコス」からきています。

オウムは、日本にも古くから運ばれてきました。647年に新羅から贈られたのが、記録に残るいちばん古い例です。平安時代の1147年には、よく話すけれど、漢語のためか何を言っているのか聞き取れないオウムの記録も残っています。江戸時代には、将軍や大名の家で飼われ、見せ物小屋でも見られるようになりました。

日本語の「オウム返し」は、言われたことをそのままくり返すことです。英語でも、parrot は「丸暗記してくり返す」という意味の動詞として使われます。

ペットとしてのオウム・インコ

オウムやインコは、頭がよく、色が美しく、言葉をまねることから、何千年も前からペットとして飼われてきました。2021年の時点で、オウム目の鳥の半分にあたる約5000万羽が人に飼われていて、その多くが家庭のペットです。ペットとしてよく飼われるのは、セキセイインコ、オカメインコ、ラブバード、ヨウム、コンゴウインコ、ボウシインコ、オウム科の白いオウムなどで、中でもセキセイインコは、ペットの鳥でいちばん人気があります。

大型の種は長生きで、飼い主より長生きすることもあります。たくさんの世話や遊び、なかまとのふれ合いが必要なため、一生のうちに飼い主がかわる鳥も多くいます。

オウム病(鳥から人にうつる病気)

オウム病は、オウム病クラミジアという細菌が鳥から人にうつって起きる病気(人獣共通感染症)です。感染した鳥のふんが乾いてまい上がったものや、鳥の呼吸器から出たものを吸いこむことでうつります。オウムやインコだけでなく、ハトなど、ほかの鳥からうつることもあります。

人では、インフルエンザのような症状が出て、治療がおくれると肺炎などになることがあります。鳥は感染していても、症状が出ないことが多いとされます。抗菌薬で治療でき、日本では感染症法の「四類感染症」になっています。予防には、鳥とキスをするような近すぎるふれ合いをさけ、鳥かごのそうじのときにマスクをすることがすすめられています。

数をへらすオウムやインコ

オウム目の鳥は、約3分の1の種に絶滅のおそれがあり、絶滅の危険の高さは、くらべられるほかの鳥のグループのどれよりも高いとされます。ペットにするための捕獲、狩り、すみかの破壊、外来の動物との競争などが原因です。1500年以降に絶滅したとされる種は、19種にのぼります(2009年の時点、国際自然保護連合)。

野生でとらえたオウムやインコの国どうしの取引は、ワシントン条約(CITES)で規制されています。セキセイインコ、オカメインコ、ホンセイインコ(ワカケホンセイインコをふくむ種)、コザクラインコをのぞく、ほとんどの種が対象です。

  • カカポ(フクロウオウム):ニュージーランドにすむ、夜に活動する飛べないオウムで、今いるオウム目でいちばん重い種です。人が持ちこんだネコやネズミなどにおそわれて数がへり、一時は50羽ほどにまで減りました。1995年から本格的な保護計画が進められ、2026年の時点で生きている個体は325羽です。
  • アオコンゴウインコ(スピックスコンゴウインコ):ブラジルだけにいた青いインコです。国際自然保護連合(IUCN)は、2019年に「野生絶滅」としました。飼育下でふやした鳥を2022年から野生に放す取り組みが進み、2023年には野生で生まれたひなも確認されました。しかし2025年11月、野生で生きていた11羽が、くちばしや羽の病気を起こすサーコウイルスに感染していると発表されました。

緑の葉のしげみの中にうずくまる、黄緑色のまだらの羽と、白っぽい大きなくちばしの丸い鳥
カカポ(フクロウオウム)写真: Department of Conservation(CC BY 2.0) / Wikimedia Commons

金網の向こうで、小さな箱の上に並んでとまる、青い体の2羽のインコ
アオコンゴウインコ(スピックスコンゴウインコ)写真: Evan Centanni(CC BY-SA 4.0) / Wikimedia Commons

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よくある疑問

オウムとインコのちがいは?
分類のうえでは、オウム科の鳥を「オウム」、インコ科とヨウム科の鳥を「インコ」と呼びます。オウム科の鳥は、立てたりねかせたりできるトサカ(冠羽)をもち、羽は白・灰色・黒が多いのが特徴です。ヨウム(洋鵡)は、名前に「鵡」の字が入りますが、冠羽のないヨウム科のインコです。反対に、オカメインコやモモイロインコのように、名前に「インコ」とつくオウム科の鳥もいます。
オウムは何類? 何科?
オウムは鳥類です。オウムとインコはどちらも「オウム目」(日本産鳥類目録では「インコ目」)に入り、その中でオウムは「オウム科」の鳥です。オウム目には、オウム科・インコ科・ヨウム科・フクロウオウム科の4つの科があり、約410種がいます。
オウムやインコの寿命は? 何年生きる?
大型のオウムやボウシインコ、コンゴウインコでは、80年以上生きた記録があります。100歳をこえたという話もありますが、年齢がはっきりしないものです。記録に残る例では、クルマサカオウムの「クッキー」が83歳まで生きました。セキセイインコは飼育下でふつう8〜10年ですが、小型の種でも20年をこえて生きた例があります。
オウムはなぜ長生きなの?
はっきりした理由はまだ分かっていませんが、頭のよさとの関係が考えられています。244種のオウム目の鳥を調べた研究では、体の大きさにくらべて脳が大きい種ほど長生きでした。また、DNAの傷を直すしくみなど、長生きにかかわる遺伝子に、強い自然選択のあとが見つかっています。
オウムやインコは、なぜ人の言葉をまねしてしゃべれるの?
オウムやインコは、聞いた音を覚えて出せる「発声学習」ができる、数少ない鳥のなかまです。脳には鳴き声を学ぶための特別な回路があり、気管の根もとの「鳴管」で音を出し、鳴管や舌・くちばしの動きを調節して、人の言葉に似た音を作ります。なぜまねをするのかはまだはっきりしませんが、鳥のひなは、親や群れのなかまの声をまねて鳴き方を覚えます。
オウムは英語で何という?
オウム目の鳥はまとめて parrot(パロット)と呼びます。オウム科の鳥は cockatoo(コカトゥー)といい、この名前はマレー語の呼び名がもとになっています。
オウムやインコはどこの国にいるの? 日本にもいる?
熱帯と亜熱帯を中心に、オーストラリアや太平洋の島々、南アジア・東南アジア、中央・南アメリカ、アフリカにすみ、種の数はオーストラリアのまわりと南アメリカでとくに多くなっています。オウム科の鳥が自然にすんでいるのは、オーストラリアとそのまわりの島だけです。日本には、もともと野生のオウムやインコはいませんが、ペットが野生化したワカケホンセイインコなどがすみついています。
オウム病ってなに?
オウム病クラミジアという細菌が、鳥から人にうつって起きる病気です。感染した鳥のふんが乾いてまい上がったものなどを吸いこむとうつり、インフルエンザのような症状が出て、治療がおくれると肺炎になることもあります。オウムやインコのほか、ハトなどからもうつります。抗菌薬で治療できます。

ナゾロジーで読む34本

  1. 01 鳥は飛べない日が続くと「悲観的」になっていた――ご褒美なしでも99.9%が飛ぶ理由
  2. 02 クチバシを失ったオウム、群れで全勝の”絶対王者”となる
  3. 03 【霊長類以外で初】オウムも餌をディップして「味付け」する
  4. 04 ”野生で最後”の「青いインコ」11羽が致死性ウイルスに感染
  5. 05 インコが友達を作る時、まずは「様子見する」と判明

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参考文献

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表紙の写真: Duncan Rawlinson(CC BY 2.0) / Wikimedia Commons
ほかの写真のクレジットは、それぞれの写真のページにあります。
この図鑑は、参考文献の資料をもとに、ナゾロジー編集部がまとめています。