窃盗から逃走劇までカメラにバッチリ収められていた
カメラを盗まれたのは、観光でフィヨルドランド国立公園を訪れていたアレックス・フェルヘール(Alex Verheul)さんとその家族。
フェルヘールさんは当時、初日の観光を終え、バルコニーで一家団らんのときを過ごしていたという。
そのときに手すりに置いていたカメラを野生のミヤマオウムが鮮やかな手口で盗み去ったのです。
ミヤマオウムはニュージーランド南島の固有種で、学習能力や好奇心が非常に高いことで有名です。
食物の少ない環境に適応した結果、知能と体力、仲間との協調性が高まったと言われています。
かなりのイタズラ好きらしく、これまでも観光客とのトラブルがたびたび報告されていました。
今回もイタズラのつもりでカメラを盗んだものと思われます。
ところが面白いのは、カメラの録画がスタートしていたことです。
そのおかげで、窃盗の瞬間と逃走劇がカメラに収められていました。
こちらがその瞬間映像です。
1羽のオウムがススッとカメラに近づいて口にくわえ、すばやく飛び去って行きました。
背後には、その様子を呆然と見つめるフェルヘールさん一家も一瞬映っています。
しかし不幸中の幸いか、オウムがカメラを盗んだことで、悠々と空を滑空する素晴らしい映像が撮影されました。
その後、オウムはあまり遠くない場所に降り立ち、多少ケースを壊したものの、カメラ本体は無傷のまま残されました。
しかも、フェルヘールさん一家が飛んで行った方向を追っていくと、岩場の上でカメラをつついているオウムがすぐに見つかったという。
オウムは一家の声を聞きつけてか、何の抵抗もなくカメラを地面に落としたといいます。
映像には、「あったよ!」という息子さんの声と、カメラを拾い上げる様子がしっかり収められています。
こうしてカメラは無事、一家の手元に戻りました。
今回のケース以外でも、野生動物が観光客の隙を見て、食べ物や貴重品を盗むケースはよくあります。
たとえば、インドネシアのバリ島に住むマカク(猿)は、観光客の持ち物を盗み、それを担保に食料を「ゆする」習性を持っています。
日本だと、海辺のトンビが観光や散歩客の食べ物を盗もうと、上空から目を光らせています。
手元の食べ物を盗まれた経験がある人もいるのではないでしょうか。
このように、賢い動物のいる場所で無防備にしていると貴重品を盗まれかねないので、自然地での観光にはお気をつけください。
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