2人に1人はかかる「見えないゴリラ」実験
「見えないゴリラ」実験はアメリカの心理学者であるダニエル・シモンズとクリストファー・チャブリスによって行われました。
実験の手順はこうです。
まず被験者に対して「これから白い服を着たチームと黒い服を着たチームがそれぞれバスケットボールのパス回しをしている映像を見せるので、その中で白服チームが何回ボールをパスしたか答えてください」と指示します。
それ以外には何も伝えないため、被験者は「これは集中力を試すテストだな」と考えるでしょう。
映像が始まると白服チームと黒服チームが入り乱れながらパスを回すので、なるほどかなり集中していないと、白服チームが何回パスしているか見逃しそうになります。
それでもなんとか白服チームのボールを目で追い、「1回、2回、3回… 」と数えていきます。
そして映像が終わり、被験者が「正解は15回だ!」と自信満々に答えたところで、研究者が「ゴリラに気付きましたか?」と尋ねるのです。
「一体何を?」と困惑している被験者に対して、研究者は「いやいや、パスしている人たちのど真ん中を横切っていったあのゴリラですよ」と追い討ちをかけます。
では実際の実験映像を見てみましょう。
おそらく、ゴリラのことがすでに念頭にある皆さんは誰も引っかからなかったと思います。
「いや、思いっきりゴリラいるじゃん。逆に気づかないことある?」と思った人が大半でしょう。
ところが、です。
ゴリラなどまったく頭になく、ただただ「白服チームが何回パスしているか」に集中して映像を見始めた人は意外とゴリラが見えなかったことが示されています。
実際にこの実験では、被験者の2人に1人(約50%)はゴリラが横切っていったことに気づかなかったのです。
(試しにゴリラのことは何もいわずに、この動画を使って知人や家族に同じ実験をしてみるといいかもしれません)
これは一体どういう心理メカニズムなのでしょうか?