別人にすり替わったのに気づかない⁈
シモンズは米コーネル大学のキャンパス内である実験を行いました。
ここでシモンズは観光客を装い、無作為に歩行者に近づいて「すみません、図書館はどこですか?」と地図を指し示しながら尋ねます。
歩行者が「ここを真っ直ぐ行って、突き当たりを右に曲がって… 」と説明している最中に突然、ドアを持った作業員(別の研究者が扮装した人物)が強引に2人の間を通り抜けます。
その間に観光客役のシモンズと作業員役の研究者がドアの後ろですばやく入れ替わるのです。
そして作業員役は何事もなかったかのように歩行者と会話を続けました。
その結果、驚くことに15人中8人は目の前の人物がまったくの別人にすり替わっていることに気づかずに道を教え続けたのです。
こちらが実際の実験映像です。
作業員役が会話を遮って「1分前にドアが通ったとき、何か変わったことに気づきませんでしたか?」と尋ねると、「ああ、あの作業員はずいぶん態度が悪かったですね」と答えた歩行者もいたといいます。
これも「見えないゴリラ」と同様に、図書館までの道のりを教えることに注意が向けられるあまり、その他の変化を見逃してしまったのです。
このように私たちの視覚的な注意は意外とザルであり、かなり大胆な出来事にも気づかないことがあります。
…と言っている間にも、皆さんの周りで何か大きな変化が起きているかもしれませんよ。