センサーは壊れやすい。その壁を越えるには?
ストレッチャブルセンサーは、人体の動きを測定したり、ロボットに皮膚のような柔軟性を持たせたりするために使われます。
しかし現実には、これらのセンサーは極めて壊れやすく、長期間の使用に耐えられないという大きな課題がありました。
例えば、服のように日々着たり脱いだりする中で、センサーは何千回と引っ張られ、ねじられ、擦られます。
そのたびにセンサー内部の導線や素材が劣化し、最終的には使い物にならなくなってしまうのです。

さらに問題は、「壊れたら廃棄するしかない」ことです。
従来のセンサー素材はリサイクルが困難で、電子廃棄物として環境にも悪影響を与えてきました。
研究チームは、この2つの問題、すなわち「耐久性」と「環境負荷」を同時に解決する必要があると考えました。
彼らが目指したのは、“壊れないセンサー”ではなく、“壊れても直せる”センサーです。
そしてもう一歩踏み込み、“使い終わったら素材を回収して再利用できるセンサー”も目指しました。
これが今回の研究の出発点です。